2011/01/10 (Mon) 11:28
KKベストセラーズ
2010年11月
大阪地検特捜部検事による証拠改ざん事件は検察の「大罪」の氷山の一角でしかないという著者が、無実の人々を翻弄してきた検察の手口を暴いたルポルタージュ。
まずは、エースだった前田元検事が、改ざん事件を引き起こすに至った背景や、その事実を知った上層部の対応など、事件の経過を検証しながら、特捜部の構造的問題を浮き彫りにする。さらに、事件の発端となった厚生労働省元局長の村木厚子氏を陥れた郵便不正事件の背景をはじめ、高知の暴走白バイ事件や足利事件、鹿児島の志布志事件など、検察による冤罪暗黒史を振り返る。
疑われたらおしまいですね。
読んでいて恐ろしかったです。
過去のでっちあげ事件も紹介されていて、私の知らない事件もあり、その内容には愕然としました。
また、比べることではないかもしれませんが、検察の当初の目的のすり替わりみたいなものは私の中にもあって、それは例えば読書。
積読本はいつのまにやら、ゆうに100冊を超え、楽しみや勉強のためのはずが、いつしか消化することが第一になっている気がします…。
私も気をつけねば。
(緊急出版のためか、誤字がちょっと目立ったかな)
内容★★★★
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2011/01/06 (Thu) 11:37
保育社
2010年7月
■ネコが主役の政治小説
政治や選挙にふだんあまり興味のない人でも、楽しく読みながら関心や興味をもてるようなネコを主人公としたファンタジー小説。「だれが政治をやっても何もかわらない」「政治家にはなんの期待もできない」といった風潮に対して、もっと政治を身近にそして関心をもってもらいたいというのがこの本の企画の原点。たくさんのネコたちの挿絵、そしてパラパラマンガなど小学生からでも親しんでもらえるつくりになっている。
■ストーリー
舞台は新宿区の白銀公園。主人公はノラネコのマロン。人間のいたずらや虐待によって住みにくくなっているネコの暮らしを守るため、マロンは人間の参議院選挙に立候補する。「地盤・看板・かばん」のいずれももたないマロンだが、ネコ仲間たちの応援と、「ツイッター」「Uストリーム」といったITを使うことによって、「ネコが世の中を変えようとしている?」「ほんとにネコ?」「だれがやっても同じならネコが議員になってもいいんじゃない?」と一躍有名になる。はたしてマロンは当選できるのか?(欄外に政治や選挙に関する重要語の用語解説をしている。)
かわいいネコを主役にもってくることによって、楽しく易しく政治の仕組みが学べます。
これならば、本の苦手な中高生にもおススメできます。
ページ下段にある語句解説もかゆいところに手が届くといった肌理細やかなものだし、なにより政治の仕組みだけでなく、その問題点も挙げられていて、尚且つこの先社会を良くしていくために何をすべきかを考えさせられるつくりになっているのが素晴らしいです。
インターネットの普及により、選挙のあり方も大きく変わっていくのかもしれない。そんな希望も見せてもらえた本でした。
内容★★★★★
2011/01/05 (Wed) 14:19
2010/12/30 (Thu) 10:00
新潮社
2010年10月
かつて読んだことのない感動の形がここにある。爆笑問題・太田光、待望の処女小説!
「どこかの誰かが、この鳥を必要としている」――誰よりも小説を愛し、誰よりも小説に愛される芸人、太田光がついに作家デビュー!
舞台芸人の一瞬の輝きを一羽の鳥に託した表題作ほか、父との不和に悩む娘やイジメにあう男子高校生の葛藤から、人類の行く末、そして神の意志までを、持てる芸のすべてを注いで描き尽くした《希望の書》。
タイトルは「マボロシの鳥」でも、表紙のイラストは「奇跡の雪」でしたね。
内容は、意外にも(?)童話っぽいお話の多い短編集でした。
ただ童話にしては、主張が前面に出すぎかなと感じました。読者に考える幅を与えない教義書みたいな。
「マボロシの鳥」なんかは語りもそのまま太田さんって感じでしたが、しかし全体的に笑えるところはなかったです。
ストーリー的にもこれといったものはなかったし、「KAGEROU」以上「青天の霹靂」未満といったところでしょうか。
内容★★★
2010/12/29 (Wed) 11:56
講談社
2010年10月
これから私は何を得て、何を失っていくのだろう。
「ここではないどこか」なんて、あるのかな。
「27歳」の現実(いま)と明日(これから)。
今の、27歳の自分のことも、5年後に振り返ったら、若かったと思うのだろうか。何を無理していたんだろうとか、どうして気づかなかったんだろうとか、5年後のわたしもまた、思うのだろうか。そして、そんな繰り返しがずっと続いてゆくのだろうか。――<「月曜日の朝へ」より>
彼氏ナシのOL・実里と子持ちの専業主婦・木綿子、対照的な人生を歩む同級生の一瞬のすれ違いを描く「クロスロード」併録
心理描写がとてもリアルで、まるで自分のことのように読んでいる自分がいました。
仕事、人間関係など、取り巻く環境が思うようにいかないイラつき、将来への不安、焦燥、孤独感…。
私も人に上手く取り入ったりができないので、とても気持ちが伝わってきました。
爪を噛んだり、眼を擦ったりはしてないけれど、自分で気づかないだけで、私も何か癖があるのだろうかとちょっと考えちゃいました。
内容★★★★