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アメコミで英語、と映画と小説と漫画など
読んだアメコミ、映画、漫画、小説などの記録。 画像をクリックすると、若干大きいサイズで見られます。 ★★★★★……震えます。生きてて良かったと思います。 ★★★★……唸ります。気分が高揚します。 ★★★……うんうん。読んで損はないかと。 ★★……時間を損したかなと悲しくなるかも。 ★……怒りがこみ上げてくるかも?
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2024/05/17 (Fri) 03:46
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2010/10/12 (Tue) 10:16

幻冬舎
2010年7月

弟が死んだその日から、私はものが食べられなくなった。勤めている花屋の店主の井上さんは、いつも休憩時間にお菓子を出してくれる。決して、私が手をつけないと知っているのに。大好きな弟が自らの命を絶った夜、私は不倫相手からの電話を待っていた(「春待ち」)。忘れられない4つの記憶を巡る連作群像劇。




4つの短編から成る、各主人公たちがなんらかの形で関連している形式。
様々な立場の女性の様子が、肌理細やかな心理描写と共に描かれています。
言い表せない苛立ちとかが上手く表現されていたりとか、女性の心理がとてもリアルでした。
シングルマザー亜季と、亜季の母親と亜季の娘の3人で暮らす様子が描かれた「美しい雨」が、中でも一番胸に来ました。
母親になかなか言えない感謝の言葉とか、つい娘にあたってしまう様子とか。

内容★★★★


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2010/10/10 (Sun) 21:25

光文社
2010年8月

平凡な街の地下鉄駅構内で通り魔事件が発生。怪我人、十数名。犯人はそのまま逃走、まだ捕まっていない。
 その事件の余波で部活が休みになった男子中学生・マサノリは、母親に頼まれて大型スーパーに買い物に行き、小学校の同級生・西田とばったり会う。西田には「うざキャラ」のためかつて軽くいじめられた過去があった。 
 その西田に「一緒に事件現場見に行かない?」とマサノリが誘われたことから、この物語は始まるのだが......。
 作家に恋する女子高生。自称「モテ男」の家業手伝い(ラーメン屋)兼自宅浪人生。4歳のとき世界の国旗と国名、首都が言えたことが唯一の心のよりどころの46歳独身男などなど、この街に住むうだつの上がらぬ6人の老若男女が、走って、恋して、自惚れて、戸惑って、言い訳して、嘆く。
 真犯人は、誰だ?  私は、何者だ?
 爆笑と感嘆の会心作。





感動するとかってお話ではないけれど…。
読んでいて、笑えるというよりは、イタい人たちがここまでも曝け出されていて辛かったです。居心地も悪かったです。
そうです。私にも思い当たる節があります。私もイタい人です。
侮れないなぁ、この観察力というか表現力。
なかなか鋭い本です。

内容★★★★


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2010/10/07 (Thu) 23:03

講談社
2010年7月

シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。

シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「わたし」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、ピアニストとして致命的な怪我を指に負い、事件は未解決のまま30余年の年月が流れる。そんなある日「わたし」の元に、修人が外国でシューマンを弾いていたいう「ありえない」噂が伝わる。修人の指にいったいなにが起きたのか――。

野間文学賞受賞後初の鮮やかな手さばきで奏でる書き下ろし長編小説。




ミステリーだと思って手に取ったのですが、中盤を過ぎてもそれらしくなく、あやうく音楽の小説だと思い込むところでした。
すべてはラストのためにあったのですね。
まさに交響曲のような構成(なのかな?)。
クラシックは「船に乗れ!」の影響で始まり、まだまだ勉強中でシューマンまでは手が届いていないですが、それでも十分楽しめました。
記憶の曖昧さとかもリアルで素晴らしかったです。
やられたって感じで、ラストも秀逸でした。

内容★★★★★


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2010/09/24 (Fri) 14:45

中央公論社 C.NOVELS
1997年8月

大学へ通うために上京してきた萩尾春海は、京都から来た西村麗子という女性に出会う。お互い下宿を探す苦労を語り合ううち、育ちの良さそうな彼女に心を許した春海は、彼女と部屋をシェアして暮らすことに。お互いを干渉しない約束で始めた生活は、都会的で快適に思えた…。が、そのルームメイトは一ヶ月も経たずに、変貌。化粧も濃くなり、食べ物の好みまでも変わり、スナックでバイトをしているようなのだ。そして遂に失踪―私は彼女の事を何も知らなかったのでは?謎の残るままに、彼女の足跡をたどる春海。すると、彼女が名を変えて、二重、三重生活をしていたという事実が明らかに。呆然とする春海の目前に、既に死体となったルームメイトが。





結構話題になっているので読んでみました。
なかなかに練ってあるとは思いますが、さすがに10年以上前に書かれた本。
その当時読んでいれば印象も違ったのでしょうが、現在となっては使い古されたネタである感は否めません。
登場人物が魅力的に描かれていれば、もっと楽しめたと思うのですが、いかにも設定が中心で、描写も含め薄っぺらなキャラばかりになっているのが残念です。
感情移入ができなければ、スリルも味わえないです…。

内容★★★


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2010/09/21 (Tue) 19:33

角川書店
2006年10月

東京生まれの大学2年生、橋本太一は大学の同級生6人ほどのグループの中心にいて、そのなかの一人、五島麻里とつき合っていた。麻里はルックスも性格もよく、皆の憧れの的だったが、太一の前にある日、強烈なキャラと奔放な行動力を併せ持つ美丘があらわれる。彼女のいるところ何かと物議を醸すために皆からわれることの多かった美丘だが、太一はその嵐のようなエネルギーに次第に魅かれるようになる。太一から告白され、初めて結ばれた夜、美丘は交通事故の手術で移植された硬膜から、クロイツフェルト=ヤコブ病に感染し、いつ発症してもおかしくない身であることが判明する。残りわずかとなった美丘の生命を前に同棲をはじめる二人。太一は美丘がこの世に生きていた証人になろうと決意するが……。





ドラマはまったく観ていませんが、読んでみました。
泣けました。
設定自体は、「セカチュー」を連想してしまうような、ありきたりな感は否めないですが、それに向き合う主人公たちの行動は、胸打たれるものがありました。
印象に残る言葉も多く、たとえば、
「ぼくたちは周囲にあるすべてが変わらないままだと仮定して、なんとか不確かな命を今日につなぎとめている。」
「今思うと、どうしてもっとおたがいに嫌なところを見せておかなかったのか、後悔しているくらいだ。ぼくがよく思い出すのは、きみのいびきやタオルでなんとか隠された乳房の先や、ごくごくとジュースをのみくだす白いのどなのだから。
 美丘、きみはどこか空のうえのほうで、ぼくを思いだすことはあるだろうか。そのときのぼくはどんな姿をしているかな。いつか、ぼくがそちらにいく日がきたら、おたがいの嫌なところをひとつひとつ全部あげて、笑い飛ばそう。」
とか。

何であれ、死は避けられないもの。
結婚する、もしくは恋人ができれば、いつの日か、彼らのように逝ってしまう方と見届ける方に別れるときが来てしまうのですね。
そのとき、彼らのようなつらさに、私は耐えられるのでしょうか…。

内容★★★★★


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