2011/02/24 (Thu) 22:02
角川書店
2010年9月
東京を壊滅寸前まで追いやった大震災から4年後、息子を喪った刑事くずれのヤクザ巽丑寅は、不思議な魅力を持った少年、丈太と出会う。彼の背後に浮かび上がるいくつもの謎―消えていく子供たち、埋蔵金伝説、姿なきアナーキスト、不気味に姿を変えつつあるこの街―すべての鍵は封鎖された「島」、お台場に―!?震えるほどリアルな「明日」の世界に、守るべきもののため全力で挑む人々の姿を描いた、フルスケールの感動ミステリ!第30回横溝正史ミステリ大賞受賞作。
舞台設定や背景などは、リアルでよく考えられていると思いました。
物語の進行も、ありきたりに感じなくもないでしたが悪くないかなと。
でも、感情移入しにくいというか、読んでいて夢中にはなれませんでした。
もっと踏み込んでキャラが書いてあると、温度も違っていたのかなと。
とはいえ、新人とは思えない作品だと思います。
次回作に期待。
内容★★★
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2011/02/21 (Mon) 11:21
KKベストセラーズ
2010年11月
かわいい服を買ったとき、一番に見せたい人は誰ですか----。
所帯じみた彼と停滞ぎみなネイリスト、長い不倫に悩む美容マニア、年下男子に恋する文系女子、披露宴スピーチを頼まれた元カノ、オンリーワンに憧れる平凡なモテ系女、そして、彼女らに寄り添うひとりの女性店員。 ある春の日、路地裏の小さなセレクトショップに足を運んだ女性たちが、運命の一着と出会い勇気をもらう。
ファッションビル「ルミネ」のポスターから生まれた、今の自分が好きになる5つの物語。
おしゃれなだけの小説かな、なんて思っていたのですが、女性を見つめる視線は優しく繊細で感情移入しやすかったです。
こんな素敵な店員さんのいるセレクトショップがあるなら、私も勇気づけられそうです。
すべて希望がありそうな結末になっているのも、爽やかな読後感でいい感じでした。
人と違うのが「個性」ではなく、自分らしいのが「個性」なんだ。という言葉が一番頭に残っています。
内容★★★★
2011/02/04 (Fri) 09:19
PHP研究所
2010年11月
モーさんの店は小さなショットバーで、繁華街から少し外れた雑居ビルの2階にある。バーテンダーという職業柄、常連客の身の上話の相手になることが多いモーさん。いつしかなしくずし的に「人生相談業」を始めるはめになったのだが、そのアドバイスがおかしな波紋を巻き起こしていくことに…。持ち込まれた相談の数々に、バーのマスターが出す答えとは?ちょっぴり苦い読後感が後を引く、連作ユーモア・ミステリー。
ひとひねりもふたひねりもあってなかなか楽しめました。
油断していたせいか、ラストには大いに騙されました。
しかし、「歌舞伎町セブン」といい、隠れ家的バーって楽しそうでいいですね。
お酒が飲めないので、余計に憧れちゃいます。
内容★★★★
2011/01/27 (Thu) 18:02
講談社
2010年11月
江戸(エド)から来た無敵の剣の遣い手――隻眼の東洋人ウィロウリヴィングは、いったい何者なのか?突然現れた無敵の剣士と無二の親友になったダルタニャン。パリ、ブルターニュ、ブリテン島――2人の奇想天外な冒険は続く。講談社創業100周年記念出版
三銃士との思い出を懐しむばかりのダルタニャンに、トレヴィル殿から呼び出しがあった。盗賊スカーレット・ルピナス団を追え、と。こうして始まったダルタニャンの冒険は、フランスからイングランド、スコットランドに及び、この間、江戸から来た無敵の剣士という無二の親友を得て、無事終わりを告げた。が、2人がパリに戻ったとき、男は、さらなる驚天動地の行動に出た。彼は、天海僧正によって仕組まれた、とある使命を帯びていたのだった。
う~ん、こういう荒唐無稽な設定は痛快で嫌いじゃないんだけど…。
詰め込みすぎなのかな、描写が簡素というか重さがないというか、ダイジェストを読んでいるみたいで、感情移入できないし、ハラハラもしなかったです。
敵の設定もなかなかで、期待していたんですけどねぇ。
私には合わなかったようです。残念。
内容★★★
2011/01/17 (Mon) 11:07
幻冬舎ノベルズ
あなたのためなら、人だって殺す。殺される寸前の女に写真を託された悠季。
そして13年後、彼女の前に現れた死体とは?
廃屋で激しく愛を交わし、直後に射殺された一組の男女。偶然にもその現場に居合わせた悠季は、女から「娘に渡して」と写真を託される。
13年後、新鋭デザイナーとして成長した悠季は自身のショーの前日、人気モデルナターシャから一本のSOS電話を受ける。ナターシャのホテルに駆けつけると、そこには13年前の事件を思い起こさせる銃殺死体が転がっていたのだった。とっさにナターシャを匿う悠季のもとに、なぜかその追手のはずのヤクザと娘までもが悠季のもとに逃げ込んできて……。
連鎖する殺人の謎、残忍な敵との死闘、時を経てたどり着いた写真の秘密。才知溢れるデザイナーと昔かたぎのヤクザのコンビが陰惨な事件を暴く、傑作長編ミステリー!
最後に赤川さんの本を読んだのは、多分20年以上前です。
何が驚きって、まったく作風が変わっていないことですね。
読みやすく、展開は速いですが、やっぱり軽いですね…。
内容★★★