2011/04/27 (Wed) 13:07
2011/04/23 (Sat) 14:28
NHK出版
2011年2月
2011年1月から放送されている「Q-わたしの思考探究」が書籍になりました。
お笑いコンビ・ピースの又吉直樹やタレント、サヘル・ローズといった「謎かけ人」が投げかける、「言葉って何?」「なぜ戦争はなくならないの?」といった深淵なテーマを、哲学の専門家「賢者」が毎週解き明かしていきます。1巻では前6回をとりあげ、司会の小池栄子と上田紀行(文化人類学者)と一緒にそれぞれのテーマを考えます。
自分、仕事、恋愛、戦争、言葉、哲学。
どれも、立ち止まり真剣に考えてみたいテーマです。
もちろん、この薄い本にすべてが詰め込められるわけもなく、あくまでさわりだけの導入的役割な内容です。
それぞれのテーマごとに、深く知るためのお薦めの本が載っていますが、どうにもイマイチ食指を動かされるものは見当たらない感じでした。
小説でもこれらのテーマを上手く扱って勉強になるものもいくらでもあるので、できればそちらも紹介して欲しかったな。
内容★★★
2011/04/17 (Sun) 15:45
2011/04/14 (Thu) 14:26
2011/03/19 (Sat) 13:31
筑摩書房
2011年1月
好きじゃ、と叫ぶ度に、あみ子のこころは容赦なく砕けた。
好きじゃ、好きじゃ、好きじゃすきじゃす、のり君が目玉を真っ赤に煮えたぎらせながら、こぶしで顔面を殴ってくれたとき、あみ子はようやく一息つく思いだった
田中あみ子は今祖母と二人で暮らしている。両親と兄とは十五歳で別れた。
幼い頃からあみ子は、父も母も兄も学校の友達も大好きだった。でも、学校から一緒に帰るとき、兄は友達を見つけると隠れる。母は自宅の習字教室にあみ子を入れてはくれない。大好きなのり君は、あみ子が大声で話しかけると友達にからかわれ下を向いて黙る。
あみ子はもうすぐ来る赤ちゃんを楽しみにしていたが、お腹がぺちゃんこになって帰宅した母は赤ちゃんを連れて帰らなかった。優しいが元気のない母のために、あみ子は「弟の墓」の木札を母にプレゼントした。それなのに……そのときから、母は部屋に閉じこもって口をきかなくなり、父はほとんど家にいなくなり、やがて兄は不良になった。
そして、中学卒業を前に、あみ子は父から「引っ越しするか」と言われたのだった。
風変わりな少女、あみ子の目に映る世界を鮮やかに描き、小川洋子、三浦しをん、荒川洋治の絶賛を受けた第二十六回太宰治賞受賞作。書き下ろし作品「ピクニック」を収録。
読んでいて、とても辛い物語でした。
それは、完全に物語の世界に入り込んでしまっているのもありますが、悪意のない、いや善意ともいうべき人の行動が、ときにいかに人を追い詰め、傷つけていくかを目の当たりにすることになるからです。
悪気がないだけに怒るわけにもゆかず…なんともやりきれないです。
読み応えがありました。
内容★★★★