2010/10/07 (Thu) 23:03
講談社
2010年7月
シューマンの音楽は、甘美で、鮮烈で、豊かで、そして、血なまぐさい――。
シューマンに憑かれた天才美少年ピアニスト、永嶺修人。彼に焦がれる音大受験生の「わたし」。卒業式の夜、彼らが通う高校で女子生徒が殺害された。現場に居合わせた修人はその後、ピアニストとして致命的な怪我を指に負い、事件は未解決のまま30余年の年月が流れる。そんなある日「わたし」の元に、修人が外国でシューマンを弾いていたいう「ありえない」噂が伝わる。修人の指にいったいなにが起きたのか――。
野間文学賞受賞後初の鮮やかな手さばきで奏でる書き下ろし長編小説。
ミステリーだと思って手に取ったのですが、中盤を過ぎてもそれらしくなく、あやうく音楽の小説だと思い込むところでした。
すべてはラストのためにあったのですね。
まさに交響曲のような構成(なのかな?)。
クラシックは「船に乗れ!」の影響で始まり、まだまだ勉強中でシューマンまでは手が届いていないですが、それでも十分楽しめました。
記憶の曖昧さとかもリアルで素晴らしかったです。
やられたって感じで、ラストも秀逸でした。
内容★★★★★
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