2010/10/10 (Sun) 21:25
光文社
2010年8月
平凡な街の地下鉄駅構内で通り魔事件が発生。怪我人、十数名。犯人はそのまま逃走、まだ捕まっていない。
その事件の余波で部活が休みになった男子中学生・マサノリは、母親に頼まれて大型スーパーに買い物に行き、小学校の同級生・西田とばったり会う。西田には「うざキャラ」のためかつて軽くいじめられた過去があった。
その西田に「一緒に事件現場見に行かない?」とマサノリが誘われたことから、この物語は始まるのだが......。
作家に恋する女子高生。自称「モテ男」の家業手伝い(ラーメン屋)兼自宅浪人生。4歳のとき世界の国旗と国名、首都が言えたことが唯一の心のよりどころの46歳独身男などなど、この街に住むうだつの上がらぬ6人の老若男女が、走って、恋して、自惚れて、戸惑って、言い訳して、嘆く。
真犯人は、誰だ? 私は、何者だ?
爆笑と感嘆の会心作。
感動するとかってお話ではないけれど…。
読んでいて、笑えるというよりは、イタい人たちがここまでも曝け出されていて辛かったです。居心地も悪かったです。
そうです。私にも思い当たる節があります。私もイタい人です。
侮れないなぁ、この観察力というか表現力。
なかなか鋭い本です。
内容★★★★
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