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2010/07/31 (Sat) 20:16

講談社
2010年5月

美しい少女との目眩く日々。歪んだ愛の代償は?
気鋭の作家・近藤史恵が描く、禁断の長編ゴシック・ミステリー!

施設で育った内気な少年・博人は、進学への援助を得るため、同い年の樋野と陸の孤島にある屋敷で働き始めた。整った容姿の樋野には壮絶な過去が。博人は令嬢の小夜に恋心を抱くが、陰惨な事件で穏やかだった生活は一変する。それは悪意が渦巻く屋敷で始まる、悲劇の序章に過ぎなかった――。

真実はつねに、だれかの傷と繋がっている。もし、触れられて痛む傷を持たない者ならば、それを暴くこともできるかもしれない。――<本文より>




ドラマか映画でありそうな愛憎劇といった感じでしょうか。
舞台は日本なのに、何故だか読んでいる私は、ずっと外国をイメージしていました。孤立しているので、あまり重要ではないですが。
「サクリファイス」や「エデン」もそうだったのですが、近藤史恵さんの文章には透明さと緊張感を感じてしまいます。

詳しくはかけませんが、閉塞した境遇にいた主人公が最後に選んだのは、やはり偽りという閉塞した人生だったと捉えると、感慨深いものがあります。
妖しい雰囲気を堪能できる本でした。

内容★★★★


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