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アメコミで英語、と映画と小説と漫画など
読んだアメコミ、映画、漫画、小説などの記録。 画像をクリックすると、若干大きいサイズで見られます。 ★★★★★……震えます。生きてて良かったと思います。 ★★★★……唸ります。気分が高揚します。 ★★★……うんうん。読んで損はないかと。 ★★……時間を損したかなと悲しくなるかも。 ★……怒りがこみ上げてくるかも?
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2024/04/24 (Wed) 17:50
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2011/06/01 (Wed) 09:54

朝日新聞出版
2011年4月

山田太一の19年ぶりの書き下ろし力作小説。特養ホームで老婆を死なせてしまった27歳のヘルパー草介は、女性ケアマネの重光さんの紹介で、81歳の老人の在宅介護を引き受ける。介護する側の疲労、介護される側のいたわり。ヘルパーと老人とケアマネの風変わりな恋がはじまる。彼らはどこまで歩いていくのか。そして、心の痛みを抱える人々と一緒に歩いてくれる空也上人とは?重くて爽やかな衝撃作。





生きている限り、必ずじわじわと迫り来る老い。
他人事と思ったり、目を逸らしてきたけれど、そろそろそうもいかなくなってきたようです。
身体の衰えと精神とのギャップ、迫り来る死との折り合い。
何かを残したいのか、誰かと繋がっていたいのか…。
老人といわれるにはまだまだ何十年もあるけれど、いろいろ考えさせられました。
人は、肯定も否定もされたいわけではなく、ただ誰かに寄り添って欲しいだけなのかもしれません…。

久しぶりの山田太一さんでしたが、やはり会話が絶妙ですね。
すべての作品を読み返したくなってきました。

内容★★★★★


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2011/04/17 (Sun) 16:52

集英社
2011年2月

第34回すばる文学賞受賞、鮮烈なデビュー作!
ある日突然、私のそばから人や物が次々に消え始め、それらは最初から「無かった」ことになっていく・・・。当たり前の日常が孕む不確かさと、今ここにある世界のきらめきを色鮮やかに描きだす。

 小さなイベント事務所で働く藤田サトミは、職場の久坂から「気になる交差点があるから、次の休みに一緒に観察に行こう」と誘われる。戸惑いながらも、喫茶店で並んで、ひとで溢れかえる休日の交差点を見下ろすことに。「通行人の中から、あるひとを探したい」という久坂と話すうち、職場とは違う彼の一面に触れ、不思議と心惹かれていく。
 時を同じくして、サトミのもとに人材コンサルティング会社の遠野と名乗る男が現れ、業界大手への転職を持ちかけてくる。けれど、その頃からサトミの周りで物や人が不意に消滅しはじめる。引き出しにいつも入れていたハッカ飴の缶、採用されたはずのアルバイトスタッフ、進行中だったイベント。自分の記憶と周りの人の記憶に食い違いが生まれ、混乱するサトミに対して、久坂は自分のせいだと語り出す。失われ続ける世界のなかで、失いたくない人を見出した里美は、必死に消滅に立ち向かうが・・・・・・。






あったと思っていたものがなくなっている感覚、同じ場面を繰り返しているような感覚。
確かにそんなことを感じることはよくあります。
そしてとても不安定な気持ちになります。
まさか、この小説のようなことが実際に起きているのかも…。
絶対そうとは言い切れないものの、否定もできないと思います。
この世に確かなものなんて何もない…。なんて不確かな世界に私たちは生きているのでしょう、なんてことを改めて自覚させられました。

★★★★


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2011/04/04 (Mon) 16:29

集英社
2011年2月

39歳のマキは、市井の人々の中で、誰かの「代役」を演ずる役者。ワケあり葬儀での死体役、多忙なセレブ社長の子息の母親役、夫の親戚との付き合いを厭う新妻役など、役柄は多岐にわたる。依頼人たちの身勝手さに苛立ちながらも、プロとして淡々と仕事をこなす日々。ある日、ニセの依頼をしてきた謎の男・モンゾウに、無理やり弟子入りされて…。第23回小説すばる新人賞受賞作。






役者ではない私でさえ、会社での顔、家での顔などと考えると、本当の自分って一体どれなんだろうなと思うときがあります。
どこまでが演技で、どこまでが本気なのか…。
ましてや、役者さんともなると、自分を見失ってしまうのも当たり前かもしれませんね。
また、騙されているとわかっていても幸せなこともあるなど考えさせられる部分もあったし、少し独特の文体が楽しくもありました。
昔読んだ、手塚治虫さんの「七色いんこ」をつい思い出していました。

内容★★★★


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2011/02/15 (Tue) 09:47

中央公論新社
2010年11月

「ケータイさえあれば生きられる」家出少女と泊め男を結ぶ闇。プロフは出会い系と同じ、性被害の温床に。「カキコしてね」娘に家とは別の顔。裏サイトいじめ、学校の監視は裏技で骨抜きに。ネットゲーム依存で消えた家族との会話。頭の良くなる薬・スマートドラッグの落とし穴。ネットに流出したジュニアアイドルの動画。フィルタリングは穴だらけ、など。ニッポンの今を伝える迫真のルポルタージュ。ケータイ依存度チェックリスト付き。





これが小説やドラマだったなら、まったく信じないようなことまであって愕然としました。
考えさせられるというか、問題点ありすぎですね。
幼児愛好者の気持ちはまったくわからないし、ましてや親が子どもを売っているのでは始末に終えないです。
ネットが広がって、個人的な利害がたやすく結びつけるようになって、お手軽にお金が稼げるというのも問題の一つの要因かもしれません。この不景気も追い風になっているようにも思うし。
便利になればなるほど、それに伴い弊害も出てくる。
これは携帯に限らず、何にでもいえることだと思います。
ようはバランスなんでしょうけれど…。
私の勤め先ひとつとっても、休憩時間に携帯に齧り付いている大人(親)たちがいます。
これが当たり前の光景と捉えず、格好悪いとか思える風潮にでもなれば、子どもの携帯依存が少しでも減るのかなぁ、なんて他愛のないことを考えたりもします。
ここまで携帯に依存しているのは日本だけとか。この先日本はどうなってしまうのでしょう。

親により危害を加えられた女の子の傷の深さは、島本理生さんの「アンダスタンド・メイビー」に詳しく書かれています。

内容★★★★


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2011/02/08 (Tue) 10:00

文藝春秋
2010年11月

「美のカリスマ」と呼ばれ、世の女性に羨望される女優の條子。堅い出版社に勤めながら、ある日突然不倫の恋に落ちる多岐江。故郷を離れ、東京でキャバクラ嬢としてのし上がろうとしている莉子。亡くなった母親の面影を嫌悪し、資産家の父親も恨む涼香。4人の共通点は同じ女医から美容外科手術を受けていること。4人の美への欲望は次第にエスカレートしてゆき、ついには禁断の領域へ――。「美」と「恐怖」を見事に融合させた傑作長篇小説。






女性の飽くなき欲望が見事に描かれていると思いました。
美には絶対の基準はなく、また老いという負荷もかかってくるため、美を求める気持ちに際限がなくなるのは自明の理ですね。
そしてそれは、個人的優越感だけでなく、美しい者が有利というこの社会のあり方、手軽に出来る美容整形などいろいろな要因があり、考えさせられてしまいます。
一度踏み出したら泥沼のように抜け出せなくなるのは、麻薬とか他の犯罪にも似ているような気がします。
「美」は男性やペット、他にも想像がつかないようなものにまで波及したりして…。
価値観を外見重視でなくしていかないと、そのうちとんでもないことになったりして。
でもその価値観を変えるのは容易ではなさそうです…。

内容★★★★


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