2011/06/01 (Wed) 09:54
朝日新聞出版
2011年4月
山田太一の19年ぶりの書き下ろし力作小説。特養ホームで老婆を死なせてしまった27歳のヘルパー草介は、女性ケアマネの重光さんの紹介で、81歳の老人の在宅介護を引き受ける。介護する側の疲労、介護される側のいたわり。ヘルパーと老人とケアマネの風変わりな恋がはじまる。彼らはどこまで歩いていくのか。そして、心の痛みを抱える人々と一緒に歩いてくれる空也上人とは?重くて爽やかな衝撃作。
生きている限り、必ずじわじわと迫り来る老い。
他人事と思ったり、目を逸らしてきたけれど、そろそろそうもいかなくなってきたようです。
身体の衰えと精神とのギャップ、迫り来る死との折り合い。
何かを残したいのか、誰かと繋がっていたいのか…。
老人といわれるにはまだまだ何十年もあるけれど、いろいろ考えさせられました。
人は、肯定も否定もされたいわけではなく、ただ誰かに寄り添って欲しいだけなのかもしれません…。
久しぶりの山田太一さんでしたが、やはり会話が絶妙ですね。
すべての作品を読み返したくなってきました。
内容★★★★★
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