2010/12/10 (Fri) 09:27
幻冬舎
2010年9月
あれは本当に事故だったのだと、私に納得させてください。高校卒業以来十年ぶりに放送部の同級生が集まった地元での結婚式。女子四人のうち一人だけ欠けた千秋は、行方不明だという。そこには五年前の「事故」が影を落としていた。真実を知りたい悦子は、式の後日、事故現場にいたというあずみと静香に手紙を送る―(「十年後の卒業文集」)。書簡形式の連作ミステリ。
中編3作が収録されていて、あらすじのように連作というわけではありません。あくまで関連は手紙形式というだけ。
しかし、いつもながらに引き込み方がうまいですね。読み始めてすぐ世界に入っている自分がいます。
それぞれの立場でのそれぞれの捉え方。それぞれの考え。
湊さんの得意とするこういう形式は、いろいろな角度から物事が見られて、とても興味深いです。変わらず続けて欲しいな、と思います。
真実が徐々に明らかになっていくそのバランスも素晴らしいと思うし、締めもしっかりしているように思います。
人物の書き分けもうまく、混乱することもないし。
基本悲劇なんだけど、今回珍しく(?)終わりに希望が持てるのがいい感じです。
内容★★★★
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