2010/10/30 (Sat) 13:57
光文社
2010年7月
自信満々の別の自分を空想する長女・真美。友人たちと揺れる40代を惑う母・春子。転校生にピッチャーの座を奪われそうな長男・健介。係長なのに全然やる気の出ない父・明弘。四人家族の綿貫さんち、それぞれの悩みや不安の日々から生まれる、ささやかだけれど大切なもの。どこか懐かしくて元気が出る、あなたと同じ普通の家族の光り輝く物語。
等身大のお話ですね。みんな小さなことに悩んで、毎日を過ごして、将来に明確なヴィジョンがあるわけでなく…。自分だけじゃないんだと、どこか安心してしまいます。
4編の連作短編からなるこの本は、それぞれお姉ちゃん、お母さん、弟、お父さんという順番で主役は交代していき、時間も少しずつ経過していきます。
この本には、とくに尊敬できるようなできた人物は登場せず、またとくに奇抜な事件が起きるわけでもなく、普通の家族の日常が描かれています。
でも本人にとっては、日常でさえしんどいわけで…。
う~ん、リアルだなぁ。と思う一方、現実はこんなものかと悲しい気持ちもなくはなく…。
内容★★★★
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