2010/10/29 (Fri) 09:56
新潮社
2010年9月
どうしてそんなことを?と訊かれたならば、魔がさしたから、としか答えようがない。縄はどんな抱擁よりもきつく、私の躰と心を抱きとめる。そう、縄さえあれば、私はひとりで生きていける―。ラバースーツ、ごみの塊、そして縄etc.ちょっと特殊な性のかたちを求める女性たちを描く5篇。R‐18文学賞第7回大賞受賞作を含むデビュー作品集。
なんというか、世の中にはまだまだ私の知らない事だらけだなというのが実感です。
自分の寂しさを、足りないものを満たすために取る方法はいろいろあるのですね…。
描写がとてもリアルなので、行為に共感は持てなくても、気持ちはわかった気になってしまいます。
「みんなひどく個人的なことをごみ収集車と分けあって、そうしてどうにか生き延びてきたのに、誰も収集車のことなんて気にかけてすらいない。」
いろんな視点、いろんな感じ方、考え方があるんだなぁ。自分が今まで捨ててきたもののことなんて、確かにあまり考えたことはありませんでした。
侮れない本です。
なんとなく、視野が広がった気がしました。
内容★★★★
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