2010/09/29 (Wed) 15:18
理論社
1998年7月
「おめでとうございます、抽選に当たりました!」 生前の罪により、輪廻のサイクルから外されていた僕の魂は、天使業界の抽選によって再挑戦のチャンスを得た。それは、自殺を図った少年、真(まこと)の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならない修行だった。天使のガイドのもと、真として過ごすうちに、僕は家族や友人の欠点が見えてくるようになって……。 深刻なテーマを、森さんならではのユーモアで包み、あたたかくホロリとさせる不朽の名作。
境遇からいっても、もっと深刻であってもいいはずなのに、代理という立場ゆえに結構気楽に状況を受け止める主人公。
ようは、真剣に受け止めることは大事だけれども、深刻になり過ぎないこと、たまには受け流すくらいでやっていったほうがいいよといっているのですね。
行き詰っても、この主人公のように視点を変えることができれば、今まで見えなかった面もきっと見えて、そこに希望が持てるはず。
家族や友人ににしても、殻の中から見て判断するのではなく、勇気がいるけれど、一歩踏み込んでみないと、その人のことはいつまでたっても理解できないままです。
まさに死んだ気になってやり直してみる、をそのまま実践したような小説ですね。
ストーリー的には少し安直で物足りない部分も感じないわけではないですが、この爽やかさは捨てがたいです。
森絵都さんといえば、「DIVE!!」がまだ半分しか読んでないのでした。いろいろ手を出し過ぎですね、私。
この本が最近話題になったのは、アニメ化したからなんですね。しらなかった。ちょっと気になります。
内容★★★★
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