2010/08/05 (Thu) 15:22
新潮社
2010年1月
成南電気工科大学にある、「機械制御研究部」なるサークル。ここは、その活動における様々な伝説や破壊的行為から、「キケン」と称され、忌み畏れられていた。「キケン」はまさしく、危険人物に率いられた特殊集団であり、犯罪スレスレの「実験」を行うことすら日常であった。これは、その黄金時代を描いた物語である。
読んでいて、本当に楽しかったです。
くだらないことだろうとなんだろうと、みんなで協力して全力で頑張って。
そんな眩しいような、かけがえのない時間を過ごせたこの登場人物たちが羨ましかったりします。時間が取り返せないだけに。いかに自分がだらだらと無意味に過ごしてきたのかを思い知らされて、悲しくもなります。
しかし、生き生きと描けてますねぇ。
登場人物を思い切って絞り込んでいるのも、わかりやすくてよかったです。
有川浩さんのほかの作品も読んでみたいです。
ラスト近くの仕掛けも素晴らしく、涙が出てきてしまいました。
―俺たちは【機研】だ。【機研】は俺たちのものだ。
今は違う。でも。
俺たちは【機研】だった。【機研】は俺たちのものだった。
その時代は消えない。なくならない。思い出はいつもそこにある。それはなくなったのではなく、
宝物になった。
全力無意味、全力無謀、全力本気。
―一体あんな時代を人生の中でどれほど過ごせるだろう?
内容★★★★★
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