2010/08/12 (Thu) 18:12
文藝春秋
2010年5月
プロテスタント系の私立女子高校の入学式。中等部から進学した希代子と森ちゃんは、通学の途中で見知らぬ女の子から声をかけられた。高校から入学してきた奥沢朱里だった。父は有名カメラマン、海外で暮らしてきた彼女が希代子は気になって仕方がない。一緒にお弁当を食べる仲になり、「親友」になったと思っていた矢先…。第88回オール讀物新人賞受賞作「フャーゲットミー、ノットブルー」ほか全4編収録。
希代子、森ちゃん、恭子、朱里と、同じクラスの女の子たちの、主役が入れ替わって描かれる連作短編集。
リアルで生々しい女子高生の心理が上手く描かれている小説。
傷つくのがイヤで、自己防衛のために、残酷なまでに相手を傷つけてしまう。そして、傷つけたことを後悔し、自己嫌悪に陥り、自分も傷つく…。
それは思い出したくない過去として心に残ります。
読んでいて、自分が学生だった頃が思い出され、恥ずかしくなったり、辛くなったりしました。
それだけ見事に描かれているということだと思いました。
こうやってみんな、傷つけあって大人になっていくのでしょうね。
最後まで読むと、タイトルにも納得です。
内容★★★★★
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