2011/06/15 (Wed) 22:01
双葉社
2011年4月
亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。そして書いたのは誰なのか。謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。圧倒的な筆力に身も心も絡めとられてしまう究極の恋愛ミステリー!
すごい本でした。
すぐにその世界に引き込まれ、予測がつかない展開に翻弄されました。
「年をとるというのは、たぶん、混乱を混乱のままに抱きかかえて生きられるようになることではないだろうか。人間の心そのものが、永遠に解き明かせないひとつの混乱だと、知ることではないだろうか。」
深いです。
追いかけたい作家さんがまた増えてしまいました。
内容★★★★★
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2011/05/31 (Tue) 09:47
宝島社文庫
2011年2月
史上初! 最終候補にダブルエントリーされ、「こっちを読みたい!」という声が続出した話題作。『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』に続く中山七里の最新刊。『このミス』ファン待望の作品が、満を持して登場!
マンションの13階からフックでぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。これが近隣住民を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の凶行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに……。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の正体とは? どんでん返しにつぐどんでん返し。最後の一行まで目が離せない。
サイコサスペンスかと思いきや、犯人はともかく、推理物にしてはやけに詳しい刑事の人物描写、結構長いアクション描写や暴動の様子、音楽療法の詳しい説明等々…。
かなりいろいろな要素が詰め込まれた本でした。
市民の反応には、今の日本ではどうかなと思わなくもなかったけれど、心情的にはわかります。
過去を引きずる主人公は好きだし、ラストの展開は読め気味だったけれど、バラエティに富んでいてなかなか楽しめました。
内容★★★★
2011/05/16 (Mon) 12:54
サンマーク出版
2010年12月
動画サイトYouTubeで130万人以上が涙した感動の物語が、ついにフォトブックとして刊行されます。 人生に生き悩む子供に母親が言いつづけた、ある一言とは? 思春期の揺れ動く気持ちと、それを受け止める母親の姿、そして意外な事実に驚きながらも愛情に気づいていく主人公の心の変化が、小さな物語の中に表現されています。 「幸せ」と「人間学」の専門家であり、ミリオンセラー『鏡の法則』の著者が贈る、実話と写真のコラボレーション。 物語を読みながら、同時に心の目で味わってみてください。
こういう話には、本当に弱いです。
短いお話ながら、やはり泣いてしまいました。
人を信じる、信じきることの大切さ、美しさを教えられた気がします。
子育てについて、私はまだまだ考えなければならないです。
内容★★★★★
2011/04/07 (Thu) 13:09
主婦と生活社
2011年2月
ベストセラー作家が語る「書店にはドラマがある!」書棚にずらりと並ぶ背表紙を見るだけで、胸がときめく…自分にとっての「決定的な一冊」に出会った、そのときの衝撃!―本屋さんをもっと好きになる「ちょっといい話」。
『日販通信』の巻頭エッセイ「書店との出合い」に掲載された、著名な作家や文化人の思い出の書店の話を一冊に。
60名の作家さんたち(私の知らない人もいたりしましたが)が語る本屋さんの思い出。
自分の子供時代を振り返る人、今(執筆当時)を語る人、サイン会の不安を話す人など、さまざまなお話を読むことが出来ます。
自分の著書を目立つところに並べ替える、というのには笑っちゃいました。
言われてみると、私も小学校高学年~大学生のときには、ほぼ毎日といっていいくらい本屋に通ったものですが、いつしか週に1回さえも足を運ばなくなっています。
確かに本屋には、ネットにはないよさがいくつもあるのはわかっているのですが…。
それに、ネットでは思い出はできないですよね。
本屋に限らず、思い出のある場所ってみんないろいろありますよね。
次はこの本のレコード屋さん編が読みたいかな。
内容★★★
2011/04/03 (Sun) 13:33
経済界
2011年1月
日本最大のマラソン「東京マラソン」には、3万人もの人々が大都会東京を疾走する。一流のアスリートも参加するが、参加する人のほとんどが、走ることが好きでたまらない市民ランナーだ。
この本に出てくるランナーは「走る」ことを何かのキッカケにしている。自分や周りの人々を見つめ直す人、病気の母に自分の走る姿で感謝とエールを送ろうとする人などさまざまな理由でこの長い距離を走っている。
真冬の「東京マラソン」を舞台に10人それぞれの心あたたまる実話です。
当たり前だけど、みんなそれぞれに人生があり、それぞれにドラマがある。
そんなことを改めて気付かせてくれました。
それぞれのマラソンにかける想い。
そこには、単に好きだから走るというだけではなく、それ以上の情熱と人との絆がありました。
ただ、1話1話が短くあっさりしすぎの印象。
もう少しじっくり読みたかったかな。
内容★★★