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アメコミで英語、と映画と小説と漫画など
読んだアメコミ、映画、漫画、小説などの記録。 画像をクリックすると、若干大きいサイズで見られます。 ★★★★★……震えます。生きてて良かったと思います。 ★★★★……唸ります。気分が高揚します。 ★★★……うんうん。読んで損はないかと。 ★★……時間を損したかなと悲しくなるかも。 ★……怒りがこみ上げてくるかも?
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2024/04/25 (Thu) 14:59
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2010/05/18 (Tue) 01:38

集英社文庫
2009年6月

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。





伊坂幸太郎さんってやっぱり、人に対して好意的というか、登場する人物のほとんどがいい人で、読んでいてやっぱりいい気分になってしまいます。今回は3年後に人類が滅びるというのに。
珠玉の短編集と言っても過言ではないと思います。
それに短編と言っても、時間も背景も同じだし、登場人物もリンクしているので、長編と見なせなくもない感じです。
登場人物のみんながいい感じで、感情移入もしやすかったですが、ものすごく大らかな美咲さんが特に気にっています。

3年後に地球が滅びるとしたら、今からなにをするべきなのか、頭を巡らしても、そんな緊迫した状況をどうしても想定できない平和ボケした私には、なにも思いつきませんでした。こういう人間に限って、実感がわくと途端にあたふたするんだろうな、ってことだけはわかります。
で、苗場さんの言葉にはっとさせられます。
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
恥ずかしい限りです…。

内容★★★★★



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2010/05/07 (Fri) 00:57

中央公論新社
2009年11月

 家電量販店の店員・遠藤二郎は、イタリアで修行した「エクソシスト」というもう一つの顔を持つ。遠藤は他人の発する「SOS」を見過ごせない性格だった。ある日、知り合いの「辺見のお姉さん」にひきこもりの息子・眞人の悪魔祓いを依頼され、辺見家に赴く。
 一方、桑原システムの社員・五十嵐真は、20分間で300億円の損失を出した菩薩証券の株誤発注事故の調査を命じられる。 菩薩証券は、ミスの原因をシステムのせいにしたがっているという。聞き取り調査を始めた五十嵐は、なぜか奇怪な幻想に翻弄されていく。
 眞人の部屋で「西遊記」を発見する遠藤。そして五十嵐の前には異形の猿が......。これは現実か妄想か。二つの物語のゆくえはいかに。





五十嵐大介さんのコミック「SARU」とのコラボだそうです。
語り口は伊佐幸太郎さんのトーンで、相変わらず楽しい雰囲気にしてくれるのですが、何がいけなかったのでしょうか。今回はわくわく読み進めることができませんでした。
途中で、「アヒルと鴨のコインロッカー」と同じ時間差の手法が使われているな、とは推測できましたが、今回は失敗に終わっているようにも思えます。
筒井康隆さんのハチャメチャぶりを無理に組み入れたような感じさえしました。
終わり方も、何か煙に巻かれたような感じでしっくりしませんでしたが、いろいろ実験というか開拓していく精神は悪くないと思います。
でもたまにはいつもの調子のを書いて欲しいです。
「あるキング」とこの「SOSの猿」と続いていると、心配になってくる読者もでてくるのではないでしょうか。私も一抹の不安を感じなくはないです。

「人間には、メサイアコンプレックスというものがあるらしい。誰かを救ってあげたい、というこだわりで、それは、自分自身の存在価値を証明したい、という弱さから生まれているらしくて」

内容★★★



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2010/04/25 (Sun) 01:07

創元推理文庫
2006年12月

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 注目の気鋭が放つ清冽な傑作。
第25回吉川英治文学新人賞受賞
第2位「このミステリーがすごい! 2005年版」国内編ベスト10
第3位 2004年(第1回)本屋大賞
第4位「週刊文春」2004年ミステリーベスト10/国内部門


細かいところは抜きにして、映画とほとんど同じ内容で驚きました。正確に言うと、この小説をうまく映像にした映画のほうに驚いたのですが。
小説では「川崎」のラストが示唆されている点だけが違いでしょうか。
そして、映画でほぼ内容を覚えているにも拘らず、ここまで夢中にさせ、涙ぐませて読ませるこの小説もすごいです。
いわば、そのトリックを知っているので、検証という目で読んでしまっていたのですが、しっかり計算しつくされていて、素晴らしいの一言です。
日本人の悪い面というか、民族性の問題点という重いテーマも内包していて、トリックやその物語を楽しませるだけでなく、考えさせられるようにもなっています。
私の中での最高傑作の一つと言えそうです。

他作品のリンクとしては、「陽気なギャングが地球を回す」の祥子さんが椎名の叔母として、名前が度々登場します。旦那の響野さんの名前も。
で、多分、名前こそ出てきませんが、バッティングセンターで快音を響かせている少年は、「あるキング」の王求ではないかと…。

内容★★★★★




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2010/04/22 (Thu) 13:21

新潮文庫
2009年12月

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。


独立した短編4編を収録。

「動物園のエンジン」はともかく、後の3作品は珠玉の作品です。

「サクリファイス」は、「ラッシュライフ」や「重力ピエロ」でお馴染みの黒澤さんが主役の物語。このやさしいけど冷めてる独特の語りが堪りません。
ある村を舞台にストーリーは展開しますが、「自分を犠牲にしてまで国民のことを考える政治家はいない」など「魔王」とかに見られる政治批判もしっかり盛り込まれています。

表題作の「フィッシュストーリー」は映画化もされている作品。このお話のように、意図していないところでの人と人との繋がりというか、影響を考えると、感慨深いものがあります。
映画「フィッシュストーリー」は中村義洋監督の作品だそうです。「アヒルと鴨のコインロッカー」「チーム・バチスタの栄光」「ジェネラル・ルージュの凱旋」もこの監督だったんですね。じゃあ、いい作品でないわけがないですね。観なくては。「ゴールデンスランバー」の映画も気になります。

ラストの「ポテチ」はこの短編集の中で、一番のお気に入り。
苦しいのにそれを見せず飄々としている今村君に感動しました。そのつらい出来事をポテトチップスで例えるのも絶妙でした。
勿論黒澤さんが登場しているのも見逃せません。
プロ野球のくだりは「あるキング」への布石とか思ったりして。
とにかく読んでいて心地よいのです。

内容★★★★★



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2010/04/12 (Mon) 12:36

文春文庫
2008年2月

CDショップに入りびたり、苗字が町や市の名前であり、受け答えが微妙にずれていて、素手で他人に触ろうとしない―そんな人物が身近に現れたら、死神かもしれません。一週間の調査ののち、対象者の死に可否の判断をくだし、翌八日目に死は実行される。クールでどこか奇妙な死神・千葉が出会う六つの人生。


様々な人間模様が、人間ではない存在を通して語られているのが面白かったです。
読んでいて、登場人物に同情してしまいそうになるのですが、千葉はそんなことはなく、その感情の差が上手く出せていて良かったと思います。
遊び心もあり、「重力ピエロ」の春が登場するだけでなく、独立したこの短編の中でもリンクしていたりします。
深刻なタッチで描かれているわけではないですが、死や人の一生について違う視点から考えさせられる作品でした。

映画の主演が金城武さんというのは、予告で知っていたのでそのイメージで読んでいました。
そのうち映画も観るつもりです。

内容★★★★




↑作品に登場するCDも出ていました。面白い企画ですね。

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