2010/04/25 (Sun) 01:07
創元推理文庫
2006年12月
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。彼の標的は――たった1冊の広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気などなかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガンを手に書店の裏口に立ってしまったのだ! 注目の気鋭が放つ清冽な傑作。
第25回吉川英治文学新人賞受賞
第2位「このミステリーがすごい! 2005年版」国内編ベスト10
第3位 2004年(第1回)本屋大賞
第4位「週刊文春」2004年ミステリーベスト10/国内部門
細かいところは抜きにして、映画とほとんど同じ内容で驚きました。正確に言うと、この小説をうまく映像にした映画のほうに驚いたのですが。
小説では「川崎」のラストが示唆されている点だけが違いでしょうか。
そして、映画でほぼ内容を覚えているにも拘らず、ここまで夢中にさせ、涙ぐませて読ませるこの小説もすごいです。
いわば、そのトリックを知っているので、検証という目で読んでしまっていたのですが、しっかり計算しつくされていて、素晴らしいの一言です。
日本人の悪い面というか、民族性の問題点という重いテーマも内包していて、トリックやその物語を楽しませるだけでなく、考えさせられるようにもなっています。
私の中での最高傑作の一つと言えそうです。
他作品のリンクとしては、「陽気なギャングが地球を回す」の祥子さんが椎名の叔母として、名前が度々登場します。旦那の響野さんの名前も。
で、多分、名前こそ出てきませんが、バッティングセンターで快音を響かせている少年は、「あるキング」の王求ではないかと…。
内容★★★★★
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