2010/05/18 (Tue) 01:38
集英社文庫
2009年6月
八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう予告されてから五年が過ぎた頃。当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?今日を生きることの意味を知る物語。
伊坂幸太郎さんってやっぱり、人に対して好意的というか、登場する人物のほとんどがいい人で、読んでいてやっぱりいい気分になってしまいます。今回は3年後に人類が滅びるというのに。
珠玉の短編集と言っても過言ではないと思います。
それに短編と言っても、時間も背景も同じだし、登場人物もリンクしているので、長編と見なせなくもない感じです。
登場人物のみんながいい感じで、感情移入もしやすかったですが、ものすごく大らかな美咲さんが特に気にっています。
3年後に地球が滅びるとしたら、今からなにをするべきなのか、頭を巡らしても、そんな緊迫した状況をどうしても想定できない平和ボケした私には、なにも思いつきませんでした。こういう人間に限って、実感がわくと途端にあたふたするんだろうな、ってことだけはわかります。
で、苗場さんの言葉にはっとさせられます。
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
恥ずかしい限りです…。
内容★★★★★
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