2010/12/23 (Thu) 10:53
文藝春秋
2010年10月
短篇小説の名手である山田詠美さんがこの新作について語ったのは、「一滴落とすと水の色がぶわっと変わるような凝縮した言葉で書きたい」ということ。その言葉通り、400字詰め原稿用紙で20枚程度の「小さな話」が21篇も入ったこの本には、恋愛小説、性愛小説、家族小説、戦争小説、喜劇、悲劇とあらゆる小説のエッセンスがぎっしり詰まっています。
マーヴィン・ゲイが死んだ日/電信柱さん/催涙雨/GIと遊んだ話(一)/百年生になったら/宿り木/モンブラン、ブルーブラック/GIと遊んだ話(二)/微分積分/ガラスはわれるものです/LOVE 4 SALE/紙魚的一生/GIと遊んだ話(三)/ブーランジェリー/にゃんにゃじじい/涙腺転換/GIと遊んだ話(四)/クリトリスにバターを/420、加えてライトバルブの覚え書き/予習復讐/GIと遊んだ話(五)
今みたいにシングル主体の構成となる以前の、昔の、聴くまでどんな曲が入っているのかわからないアルバムのような小説でした。
バラエティーに富み、ページを開くたびにワクワク感がありました。
笑える話あり、筒井康隆風あり、大人の恋愛ありと、本当にいろいろな物が詰っていて楽しめました。
内容★★★★
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