2010/10/22 (Fri) 09:45
幻冬舎
2010年7月
ただ、恋、だったのだ。そんな凶暴なものに、誰が抗えるだろう。
植えつけられた罪悪感なら捨てた――。
秘めた願望を実行したら、新しくなった自分を知った。
覚悟を決めた12の恋の行方。
最新連作小説。
「年齢も境遇も性格も違う十二人の女性たち、それぞれの、激しくもせつない恋愛模様を描いた作品集です。」ということですが、これでも連作と呼ぶのかどうか、妙なところが気になっってしまった私でした。
浅く読めばその過激な性描写に、ただの官能小説とも取れてしまうかもしれません。
でも、
「ただ、そうして愛し合う回数が減ってみて、初めてわかったことがある。言葉を介さない軀のやりとりが、男と女のの潤滑油としてどれほど役立っていたかということだ。
ほかの誰にも許さない特別なことを、特別な相手にだけ許す。その行為を通して、相手そのものを許す。セックスには、そういう効用や意味がある。」
とあるように、肉体的にも精神的にも深い内容でもあります。
「読んで、大いに眉をひそめて下さい。」とおっしゃっていますが、確かに受け入れられない部分も…。
みんながみんなこうではないと思いたい自分がいるのも確かでした。
私が甘いのか、「お互いに秘密があるほうがやさしくできる」というのは納得は出来ても、やはりどこかでは否定したい。
お互いに隠し事なく寄り添っていけたらと思うのは、理想でしかないのでしょうか…。
考えさせられる小説でした。
内容★★★★
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