2010/10/19 (Tue) 22:06
朝日新聞社
2001年5月
「人にはそれぞれ『自分の木』ときめられている樹木が森の高みにある…人の魂は、その「自分の木」の根方から谷間に降りて来て人間としての身体に入る…そして、森のなかに入って、たまたま「自分の木」の下に立っていると、年をとってしまった自分に会うことがある」
7、8歳のころ、太平洋戦争の間に祖母からこの話を聞いた著者は、年老いた自分にこう問いかけたいと思った。
「――どうして生きてきたのですか?」
著者はこの質問に答えるためにずっと小説を書いてきたという。しかし、それから60年近くがたち、「年をとってしまった自分」になってみると、若い人たちに向けて「自分の木」の下で直接話をするように書きたいという気持ちが強くなった。自分の言葉が彼らの胸のうちで新しい命として生き続けられるように――。
なぜ子供は学校に行かなくてはいけない? 子供たちの素朴な疑問に、ノーベル賞作家がやさしく、深く、思い出もこめて答える。17のメッセージと32点のカラーイラストが響きあう、心にとどまる感動のエッセ-。
ご自身でも最後に書かれておりますが、対象年齢が定かではありません。
文章は易しいかもしれませんが、概ね子供に理解するのはつらい内容に感じました。
子供が「保守的」であるとか、「うわさ」のお話には共感しましたが、中国に対する謝罪とかではあまり納得できない面も。
考えが違うのはあたりまえですが。
だからこそ読んで考えるわけで、読書の意味があるわけで。
でも、予想していたほど胸には響かなかったかな。それは私が、大江健三郎さんの本を読んだことがないからかもしれません。
内容★★★
PR
Comment