2010/10/23 (Sat) 15:36
光文社
2010年8月
収録作は中編2作。表題作「モリオ」と「エウとシャチョウ」。
・「モリオ」――単調な会社生活を無目的に送る青年モリオは、亡くなった母が愛用していた足踏みミシンを形見として譲り受ける。ミシンを修理しながら、モリオは思い出した。ミシンの下に隠れるのが好きだったこと、ミシンを使う母が大好きだったこと、そして姉のために母が作ったワンピースを着たかったこと。ある日、モリオは自分が着たかった花柄のスカートを縫い始める。ミシンで服を縫う作業を通じて、またある少女との出会いによって、モリオは自分が生きる道を見つける。主人公モリオは、『トイレット』の登場人物モーリーと共通している。
・「エウとシャチョウ」 末期癌の猫シャチョウを飼う女医ヨーコさんと同棲することになった「僕」。日々、シャチョウの面倒を見ているうちに、才能などなにもないと思っていた自分に、「猫に信頼され心を通わせる」力があることに気がつく……。コンプレックスに苛まれる男と女が、一匹の猫を看取りながら、心の拠り所を得て再生する姿を描く。「モリオ」に登場した生地屋のおばさんとその飼い猫が、こちらにも登場。その存在が二作品をつなぎ、同じ世界観を作り出している。
なんともいえない不思議な作品でした。
映画「かもめ食堂」でも感じた独特の世界観というか、間合いを醸し出しているように思えました。
ただ私には伝わってこなかったなぁ、主題というか、いいたいことというか、そういうのが。
いろんな人がいますね、ってそんなことしか思いつかない…。
私には合わない本でした。
内容★★
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