2010/12/18 (Sat) 18:48
東京創元社
2010年10月
ニュージーランドの全寮制女子校に編入してきたジュリアン。彼女は同校の卒業生である祖母が遺した手記と、古い手紙を携えていた。手記には学院の教会堂で起こった残虐な殺人事件が、手紙には復讐をにおわせる不吉な一文が書かれていた。そして、ジュリアンと6人の同級生に、ふたたび酷似した状況で、悲劇がふりかかる……。これは41年前の事件の再現なのか? 少女たちを脅かす、封印された謎とは? 第20回鮎川哲也賞受賞作。
2作同時受賞ということで、どうしても「ボディ・メッセージ」と比較してしまうのですが、人物の書き分けという点では圧倒的にこちらの方が上手かったですね。こちらも私の苦手なカタカナの登場人物ばかりだったにもかかわらず、全然支障ありませんでした。
内容的にも、犯人に追い詰められるというサスペンス的要素もあるこちらのほうが好みでした。
ニュージーランドという国自体存在しか知らなかった私には、日本との歴史的関連も含めて勉強にもなりましたし。
全寮制女子校という設定も、雰囲気があってよいと思います。
ただ、ある重要人物はエピローグを含めとても詳しく書かれているのに、犯人の動機に結びつく過程とかが詳しくなく、バランスが悪い感じはしました。
内容★★★★
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