2010/11/26 (Fri) 14:08
新書館
2010年9月
クズ子のニート卒業日記。中卒でニートの23歳女性「クズ子」が2009年4月16日深夜からネット上に書きはじめた自分語り「うちの母ちゃんすごいぞ」がついに書籍化。
家計を支えるため働きに出た「母ちゃん」の超人的ながんばりと、家族に対する深い愛情が、そしてニートである主人公クズ子の成長がネットユーザーたちの共感を呼び、「クズ子」の書き込みが終わった日には、
「カー チャンに少し優しくなれそうな気がする」
「人生が面白いってことを再確認できたよ」
などと、心を動かされたとする書き込みが相次いだ。
父親の借金が判明し、ヤクザが取り立てにやってくる毎日。
そんな家庭の混乱に耐えられなくなった主人公クズ子は無意識に自殺未遂をし、結果高校受験もできずニート生活に突入。
小さい妹は不登校。兄は家によりつかなくなった。厳しい借金取り立てをかわすためオヤジと母ちゃんは離婚。
そんな「葬式みたいな家」で、母ちゃんは家計を支えるため、働きにでた。
寝る間も惜しんで働く母ちゃん。30人分の仕事をこなす超人的な頑張りで、パート→正社員→現場主任→課長→部長とどんどん出世する。
一方クズ子は、ゲームやアニメ三昧の毎日で、時々兄ちゃんの金をくすねる相変わらずのクズっぷりを発揮していたが、ある日寿司屋で食べた寿司のうまさに感動。
「バイトすればまかないでいつでも寿司が食える」という短絡思考からバイトを始める。
いつやめてもおかしくない勤務態度だったが……!?
お母さんすごいです。
ありえない頑張りぶりは、憧れを超えて、畏敬の念さえ覚えます。
でも、一番感銘を受けたのは、クズ子がダメダメになっても決して怒りはせず、温かく見守っていたこと。
これって、本当にわが子を信頼していないとできないと思う。
私に出来るかどうか…。
クズ子の自己中ぶりには、笑いを通り越して怒りさえ感じ始めていましたが、案外これが人間の本音で、クズ子は正直すぎるだけなのかも…。
反対に、健気な妹には心癒されました。
後半にほとんど母親がでてこない、突然の終わりなど、構成もあったものではないですが、かえってノンフィクションらしさがでていて、いいのかもしれませんね。
内容★★★★
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