2010/08/24 (Tue) 19:49
角川書店
2009年12月
江戸、四代将軍家綱の御代。戦国期の流血と混迷が未だ大きな傷として記憶されているこの時代に、ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること。武家と公家、士と農、そして天と地を強靱な絆で結ぶこの計画は、そのまま文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれながら安穏の日々に倦み、和算に生き甲斐を見いだすこの青年に時の老中・酒井雅楽頭が目をつけた。「お主、退屈でない勝負が望みか?」日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描いた新境地。時代小説家・冲方丁誕生の凱歌がここに上がる!
渋川春海:
寛永16年(1639年)江戸幕府碁所・安井算哲の子として京都で生まれる。承応元年(1652年)、父の死によって二世安井算哲を継ぐ。囲碁の研鑽の一方で天文・数学・暦学などを学び、21歳の時に各地の緯度を計測して、当時用いられていた誤差のある宣明暦からの改暦を申し出る。申し出ること三回、ようやく朝廷に採用され、春海がつくった新しい暦は、貞享暦として後の太陰暦の基本となる。その功により貞享元年(1684年)碁所をやめ初代幕府天文方に任じられる。正徳5年(1715年)77歳で没。
第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第7回北東文芸賞を受賞。
まったく知らない人物だっただけに、勉強になりました。
1つのことに生涯を捧げる―ロマンですね。
何のために生きているのか、その目的も定かで、正直羨ましかったです。その情熱も。
また、自分のためだけでなく、支えてくれた人たちのために、というのも挫折せずに続けられた大きな要因だったとも思います。
受け継ぎ、受け渡していく…。こういうのを読むと、何か壮大な物に触れてしまった気がします。
何気に使っているもの、当たり前と思っているものにも、そこには人の苦悩があり、戦いがありで編み出された歴史があるのだと痛感させられました。
もっといろんなことを知りたいと思わせてくれる本でした。
内容★★★★
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