2010/08/27 (Fri) 11:35
双葉社
2010年7月
一話が50人だけのために書かれ、自宅に届けられた「ゆうびん小説」に、書き下ろしの最終話が加えられ、遂に単行本化。
自分も誰かに贈りたくなるような連作短編集。太宰治の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。
「グッド・バイ」は学生の頃読んだはずだけど、まったく覚えていない…。そう思うと、今読んでいる本たちも、どれだけ覚えていられるやら、不安になります。
さて、内容ですが、主人公は5人の女性と同時に付き合っている男性で、ある事情ができ、その女性たちと別れなければならなくなり、一人ひとりに別れを告げていく、という感じで話は進みます。
5股もかけている主人公は、最低で軽蔑すべきところですが、そう思えなくさせるのが、この伊坂さんの真骨頂とも思えます。
深刻な内容のはずなのに、どこかおかしく、軽妙に進んで、何故か爽やかな印象を受ける、不思議な魅力の詰まった小説でした。
内容★★★★
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