2010/03/15 (Mon) 10:31
2008
監督:北野武
出演:ビートたけし、樋口可南子、柳憂怜、麻生久美子、中尾彬、大杉漣、伊武雅刀、風祭ゆき
上映時間:119分
裕福な家に生まれた少年の真知寿(まちす)は“画家になる”夢を持っていた。
しかし突然両親が亡くなり、環境が一変してしまう。ひとりぼっちになった真知寿は、画家になることだけを人生の指針として生きるしかなくなった。
そんな愛に見放された真知寿の前に、ひとりの理解者が現れる。
絵を描くことしか知らない彼の純朴さに心惹かれた幸子である。
やがてふたりは結ばれ、真知寿の夢は夫婦の夢となった。
愛と希望に満たされ、様々なアートに挑戦するふたり。しかし作品は全く評価されない。
ふたりの創作活動は、街や警察をも巻き込むほどにエスカレートしていき、家庭崩壊の危機にまで直面してしまう・・・・・・。
うまくいかなくても前に進むしかない人生の中で、ふたりが確かに手にしたものは・・・・・・。
最初観終えたときは、なんだかなぁ、というのが正直な感想でした。
でも振り返ってみると、芸術という観点はさておき、かなり深い作品なのでは思えてきました。
本当にやりたいことなのかどうなのかわからないまま、状況的になんとなくそれを始め、いつしかそれをする以外なくなっていて、周りの意見に左右され、手探りで模索し、結局何もうまくいかず…。
これって、人生そのものなのではと思えてきたのです。
家族を省みないほどに探求していった芸術と錆びた空き缶が象徴するもの…。
私ではまだまだ理解できているとは言い難いですが、私なりの解釈では、人間のしていることなんてそんなものなのかと。
人にとって一番大切なものは、意義や目的なんてものではなく、自分を容認し生涯寄り添ってくれるパートナーなのではないでしょうか。
内容★★★★
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