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2010/05/20 (Thu) 02:00

早川書房 ハヤカワ・ミステリワールド
2009年1月

高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?






人の悲しみや死について考えているかと思えば、次の瞬間には欲しいバッグのことなんかを考えているあたり、現代の若者らしさが出ている気がしました。
彼女たちにとっては、それらはすべて同じ重要度なのでしょう。というか、そんなことさえ意識していないのかもしれません。
ただ、そういうリアルな点とは裏腹に、あまりにも偶然が重なり合いすりていて、やはり小説の中のお話だと感じさせてしまうのが残念でした。
でも、痴呆症の老人の話など、読んでいてつらい、これからの日本の抱える問題もしっかり盛り込まれていました。

「あんたがそれほど不幸だと言うなら、わたしとあんたの人生をそっくりそのまま入れ替えてあげる。それに抵抗があるうちは、あんたはまだ、世界一不幸ってわけじゃない」

内容★★★★


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