2010/10/14 (Thu) 19:57
幻冬舎
2009年8月
「母さん死ぬな―」へなちょこ25歳がいざ一念発起!?崩壊しかかった家族の再生と「カッコ悪すぎな俺」の成長を描く、勇気と希望の結晶。
有川浩さんの本、全部読むと誓ってから、ようやく3冊目。
あれ?今回何か変ダゾ?
主人公もその父親も近所の人も、なんかやな奴ばっかり。
読んでいて気持ちよくなるのを期待していたのに、むかつく一方。
平行して読んでいる「植物図鑑」とは大違いです。
母親は重度の欝にかかるし、理解のない父親、ろくに仕事もしていない息子…。環境も最悪です。
なんて心配は無用でした。
主人公・誠治の成長物語だったのですね。
後半は別人のような成長を見せる誠治が気持ちいいです。
いい人たちもたくさんでてきます。
人ってやっぱり、何かがないと変われないのですね。
でも逆に言えば、人は変わることが出来るってことですよね。
「昔、母さんがどんな顔して笑ってたか忘れないでくれよ。こんなもんでいいだろうとか家族に見切りつけないでくれよ。あの人、近所であんなに辛いことに耐えながら、家族と一緒のときは幸せそうに笑ってたんだぜ」
「心が弱いからじゃないんだよ。心が弱い人が、家族に気づかせて嫌な思いをさせないように、たた一人で二十年も近所の嫌がらせに耐えられるのか?母さんは俺たちのためにずっと一人で耐えてたんだ。二十年俺たちを守って折れた人間を父さんは心が弱いって言えるのか?俺は言えないよ。俺はせめて、母さんがまた笑ってくれるようになってほしいよ」
なんて、親不孝だった誠治が泣かせるようになるのですから。
あとがきに
「バカで怠惰な自分を取り繕うのはバカで怠惰であることよりカッコ悪い、ということに気づくのはけっこう後になることが往々で…」
なんて書いてありましたが、胸に沁みました。その通りだと思います。
ドラマでは二宮和也くんが誠治役をやるようですね。確かに、違和感ないかも。
ヒロイン千葉さんは、香里奈さん。
でも小説ではかなり後にしか登場しないので、ドラマではそこらへん、変更するんでしょうね。
ほら、やっぱりいい気分にさせてくれる本でした。
絶対全部制覇するぞ~、と改めて誓う私でした。
内容★★★★★
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