2010/11/16 (Tue) 09:01
新潮社
2010年9月
唇を重ねると、千の言葉が渦巻いた。そこに嘘はなかった。名手にしか描けない恋と愛、そして人生。
そのとき、感じた。一糸まとわぬ男を、彼の秘めていたものを。決して若くはなかった。この先のことなど、なにもわからず、なにひとつ決まっていなかった。でも、どんな交歓より、つながり合え、どんな未来より、身をまかせられた。甘く、とろけるばかりでない深みと味わい。あられもない、男と女の交わりと営みを描く九つの恋愛短篇。
短編ながら、見事に様々な人々の人生を見せてくれます。
それも、傍観者としてではなく、それぞれの人生を追体験するかのように。
決して楽しいだけのお話ではありません。
それでも人は、幾つになっても悩み、彷徨い、誰かを求め続けるものなんですね…。
内容★★★★
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