2011/02/02 (Wed) 09:15
早川書房
2010年11月
三十歳前後と見られる若い女と生後一年ほどの幼児の遺体が発見された。犯人の少年に死刑判決が下されるが、まもなく夫が手記を発表する。〈妻はわたしを誘ってくれた。一緒に死のうとわたしを誘ってくれた。なのにわたしは妻と一緒に死ぬことができなかった。妻と娘を埋める前に夜が明けてしまった〉。読者の目の前で世界が塗り替えられる不穏な「告白」文学。〈想像力の文学〉
すごい本でした。
その圧倒的な言葉の奔流。
場面の切り替わりさえも流れるようで、いつの間にか変わっていて、知らない間に読み手の自分が流されてしまっています。
何が、どこまでが真実なのか―。
でも、作中の言葉からすると、それさえも重要ではない気がします。
翻弄されっぱなしの本でした。
内容★★★★
PR
Comment