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2010/09/07 (Tue) 18:43

講談社
2010年5月

柳美里が小説に閉じ込めてきた「過去」と向き合った感動ノンフィクション
「柳美里に虐待疑惑」――臨床心理士・長谷川博一氏とのカウンセリングを受けながら、みずからの過去の闇を照らす作業に入る。
(柳美里のカウンセリングを行う長谷川博一氏は秋田連続児童殺害事件で畠山鈴香の心理鑑定を行うなど、心理療法、犯罪心理<心理学的鑑定>を専門とする臨床心理士。)
――「二つの約束をしていただきたい。一つは、自分の命を消さないということ。もう一つは、ほかのひとの命を消さないということ。約束できますか?」

2008年、柳美里宅に児童相談所の福祉司たちが訪れた。ベストセラー『命』でもその誕生を描かれた柳美里の長男は、いま10歳になる。児童虐待を疑われた柳美里。そして、彼女も実の親から虐待を受けていた。
果たして、これは「再演」なのか。虐待の連鎖を止めることはできないのか。
そして、最後に、彼女の闇を作り上げてきた一人の人物―父と26年ぶりの対決で、すべてが明かされる。

「子どもなんて、いなければよかった」作家・柳美里が、小説に閉じ込めてきた「過去」と初めて向き合った、家族「再生」への感動ノンフィクション。





「正しい解決」はないのだと思う。
けれど、もしも、本書を、こころに痛みを焼きつけられたひとにとっての「ひとつの解決」として読んでいただけるのであれば、書いてよかったと思える。
とあとがきにありますが、わたしには何が解決したのかわかりませんでした。読解力が不足してますね、わたし…。
それはそれとして、ここまで赤裸々に飾らずに綴り、自分と向き合うことができるということは、柳美里さんって勇気があるというか、ある意味強いのでは、と思ってしまいました。
わたしは自分に向き合う勇気もなく、ごまかして生きている毎日です。
ここまでの酷い経験もありませんが。

全体的に共感できたとは言い難いですが、印象に残った言葉もいくつかありました。
「彼はこの世では一時停止をした時間の上に留まっているが、あの世では時間は弛みなく流れていて、そちらの時間のほうが本流で、こちらの時間は支流に過ぎないのではないかと思うようになった。」
「わたしたちの目はビデオカメラではないし、わたしたちの耳はICレコーダーではない。見聞きした情報を記憶に取り込む際に、感情のフィルターで濾されているし、記憶の持ち主の「現在」によって、記憶は間断なく加筆されたり削除されたり消去されたりしている。
同じ家に住み、同じ体験をしたはずの家族であっても、同じ記憶を共有することはできない。
記憶は「物語」なのだ。」
「こころについた傷は、どんなに深い傷でも縫合されることはない。思い出すことによって、すぐに傷がひらいて、今切りつけられたばかりのように血が噴き出す。
痛みは、いつも新しい。
そして、痛みはだれとも分かち合うことができないのだ。」
など。
他の本も読んでみたいですね。この本ほど辛くないといいけど。

内容★★★


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