2010/10/23 (Sat) 22:37
サンクチュアリ出版
2010年8月
12月にはNHKでドラマ化も決定! 一枚の写真からつむぎ出された感動物語 図書館で見つけた一枚の古ぼけた写真。 そこには「祝出征・アルマ号」と書かれた幕の前で 凛々しく鎮座する犬の姿があった。 いまからおよそ65年前。 第二次大戦下の日本では、およそ10万頭ともいわれる犬が、殺人兵器として利用されていました。 人間同様、戦場に出兵した「軍犬」と呼ばれる犬たちです。 軍犬たちは弾丸が飛び交う戦地で、前線に弾薬を運び、伝令に走りました。 そしてその多くは、敵の狙撃手の犠牲になりました。 故郷に大好きな飼い主を残した彼らは、一体なにを思いながら、命を落としていったのか。 この本はこうした事実をもとに、つむぎ出された物語です。 * 第二次大戦中の日本。 幼い頃から犬好きで、扱いもうまい青年・太一は、 近所の人に頼まれ、立派なシェパードのアルマを預かることになる。 アルマの能力は犬としてずば抜けており、太一はあっという間に心を奪われるが、 貧しく、犬の餌代すら満足に稼ぎ出すことができない。 アルマの幸せを第一に考え、一度は泣く泣く手放そうとするが、 「軍用犬にすれば国から支給がある」という事実を知り、 アルマの訓練へと情熱を燃やす。 アルマが急成長していく興奮と、殺人兵器へと変貌していく不安。 揺れ動くさなか、アルマは無事試験に合格。出征命令が下される。 戦地へ向かうアルマ。別れを惜しむ人々。そして太一が出した決断とは? 消え去ろうとする過去の事実をもとに、犬と人間の関係を優しく描いた感動物語です。
涙なしには読めません。
戦いたいわけではないのに戦場に駆り出される人たち。そういった本は読んできましたが、犬には考えが及びませんでした。
人間に忠実であるがために、人間に利用されてしまう犬たちについては。
物を言わず、何を思っているかは定かでなく、そこには想像で補うしかない部分もあり、それゆえ、接する人間を映し出す鏡ともいえるのが犬なのではないかと思いました。
勿論アルマも感動させてくれますが、主人公を取り巻く、房子おばさん、継母、アルマの元の飼い主の兄妹、大久保たちにも泣かされました。
しっかり取材して書かれていると思われるこの本、勉強にもなりました。
この著者である水野宗徳さんは、「おっぱいバレー」の作者とか。そちらも期待できそうです。映画のDVDは持ってるんだけど、まだ観てないなぁ。
内容★★★★★
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