2010/06/16 (Wed) 01:26
光文社
2006年8月
ユニバーサル横メルカトル図法で描かれた、延べ197 枚の地形図は、自分の持ち主であった、ある父子の物語を語りはじめる。タクシー運転手である先代の愛用品として使われていた地図は、地図としての使命を果たすべく、日夜奮闘していた。先代がたびたび殺人を犯すようになってもそれは変わらず、むしろ二人の絆を強くしていった。しかし、先代は急死してしまい、彼の息子が殺人癖とともに地図を引き継ぐが……。
日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作「独白するユニバーサル横メルカトル」を含む、血と肉に彩られた8つの短編を収めた短編集。
このミステリーがすごい!2007年ランキング1位ということで読んでみましたが…。
これは読む人を選びますね、というか万人受けはしないでしょう。
相当にグロい描写が多いです。表題作はかなり抑えられている方です。
発想といい、描写といい、並みでないのは確かです。
・ニコチンと少年
・Ω(オメガ)の聖餐(せいさん)
・無垢の祈り
・オペラントの肖像
・卵男(エッグマン)
・すさまじき熱帯
・独白するユニバーサル横メルカトル
・怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男
というタイトルの8作の短編が収められていますが、「Ωの聖餐」と「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」の描写にはとくに注意が必要です。
筒井康隆テイストを感じたのは私だけでしょうか。
徹底している分、この狂気ともいえるこの世界に適応できる人には、素晴らしい本と言えるかもしれません。
ですが、すみませんが、私はもうごちそうさまといった感じです。
内容★★★★
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