2011/07/11 (Mon) 10:00
新潮文庫
2011年4月
怪し気な女ともだちに多額の金を貸していた同棲相手の秋恵。その人の好さに暴力的な衝動をつのらせていく、身勝手な男・北町貫多を描く表題作。大正期の無頼派作家・藤澤清造の歿後弟子を任ずる金欠の貫多が稀覯雑誌を求め、同行を渋る女と地方へ買い出しに行く「瘡瘢旅行」他、敗残意識と狂的な自己愛に翻弄される男の歪んだ殉情を描く、全く新しい私小説。
ストーリー的にはあまり興味を持っているわけではないのだけれど、ついつい手にとってしまう。私の中ではそんな位置付けの作家かな。
読んで、あまりの自分勝手さに憤慨したり、あきれたり。
でも、赤裸々に感情が表現されていて感心したり、よくよく考えてみれば自分も少なからずこういうことを思ったことがないとは言い切れないものもあったりと…。
何故か病みつきになる、そんな感じです。
内容★★★★
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