2011/07/09 (Sat) 15:37
光文社
2011年5月
共に暮らしてきた犬に死なれ、ペットロスに苦しむ夫婦。互いの気持ちがささくれ立ち、二人の関係も少しずつおかしくなってきていた。そんなある日、夫は月明かりの中に鳴く子犬の声を聞いた......。(グッドバイ)
東京で職を失った犬嫌いの青年。金もやる気も失い、実家の信州まで徒歩で向かおうと思い立つ。甲州街道を一人歩き、野宿をつづける彼だが、そのうち一匹の犬がつかず離れず、ついてきた。うっとうしく感じていたが、野宿していた神社で彼が暴漢に襲われたとき、その犬は......。(バックパッカー)他3編。
犬との出会い、日々、別れをリリカルかつ真摯な筆致で描いた、静かな感動を呼び起こす作品集。
心に傷を負った人々とそれに寄り添う犬たちの物語。
言葉を交わすことが出来ない関係…。
なので、けんかをしたり、言い争うこともなく、ただ寄り添っていてくれる。
話しかければ、多分黙って聞いていてくれる。そして、裏切ることもない。
心に寂しさを感じる人には、実は人間よりよりも犬のほうが必要なのかもしれない。そんなことを思いました。
内容★★★★
PR
Comment