2010/11/13 (Sat) 10:27
光文社新書
2010年8月
「街場」シリーズ第4弾、待望の新刊は「メディア論」!
おそらくあと数年のうちに、新聞やテレビという既成のメディアは深刻な危機に遭遇するでしょう。この危機的状況を生き延びることのできる人と、できない人の間にいま境界線が引かれつつあります。それはITリテラシーの有無とは本質的には関係ありません。コミュニケーションの本質について理解しているかどうか、それが分岐点になると僕は思っています。(本文より)
テレビ視聴率の低下、新聞部数の激減、出版の不調----、未曽有の危機の原因はどこにあるのか?
「贈与と返礼」の人類学的地平からメディアの社会的存在意義を探り、危機の本質を見極める。内田樹が贈る、マニュアルのない未来を生き抜くすべての人に必要な「知」のレッスン。神戸女学院大学の人気講義を書籍化。
僕は自分の書くものを、沈黙交易の場に「ほい」と置かれた「なんだかよくわからないもの」に類すると思っています。誰も来なければ、そのまま風雨にさらされて砕け散ったり、どこかに吹き飛ばされてしまう。でも、誰かが気づいて「こりゃ、なんだろう」と不思議に思って手にとってくれたら、そこからコミュニケーションが始まるチャンスがある。それがメッセージというものの本来的なありようではないかと僕は思うのです。(本文より抜粋)
大変勉強になりました。また自分の中の視点が増えたように思います。
あまり考えてきませんでしたが、マスコミのビジネス化に納得。芸能人のスキャンダルとかでは、そう感じなくもなかったですが、医療・教育問題も言われてみれば確かにそうですね。テレビや新聞の報道は信頼できる、というのが自分の心のどこかにはあったのですが、そういう考えも直さなくてはいけないようです。
また、本棚のお話もすごく同感。確かに、本を購入するときにこうなりたい自分というのを描いているように思います。未読既読は関係なく、自分を見つめるためにも重要ですよね。うんうん。
著作権についても、いろいろ考えなければいけないときかもしれませんね。詐欺みたいな本も確かに存在するし。
結論がでていないこともありますが、良質な問題定義を与えてもらったということで、これから考えてゆきたいと思います。
内田樹さんの本は初読ですが、いろいろ読んでみたくなりました。
内容★★★★★
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