2010/09/30 (Thu) 19:23
講談社
2010年5月
『永遠の0』『ボックス!』『風の中のマリア』『モンスター』、1作ごとに読者を驚かせてきた百田尚樹
今度は、ついに時代小説!
ここに、時代小説でなければ、書けない男たちがいる。
生涯の契りを誓った2人の少年。1人は異例の出世を果たし、1人は貧困のなかで朽ち果てた。
光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。
父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ刀を合わせて刎頚の契りを交わした14の秋。それから――竹馬の友・磯貝彦四郎の不遇の死を知った国家老・名倉彰蔵は、その死の真相を追う。
おまえに何が起きた。おまえは何をした。おれに何ができたのか。
予想通り、今回も泣かせてくれました。
時代小説はほとんど読んだことがないので、時代小説特有の単語の意味を辞書で調べなければならないときはちょっと焦りましたが、それも最初の方だけで、すぐに物語の世界に惹きこまれました。
前半の構図は「ボックス!」に似てなくもないけれど、友情は完全にパワーアップしています。
勿論感動させるだけでなく、その時代の暮らしぶりなども詳細に描かれていて勉強にもなります。
「ボックス!」「永遠の0」同様、戦いの描写の臨場感も素晴らしいです。
ボクシング、美容整形、戦争、そして時代劇。
異なるジャンルで書き続けているのに、どれもクオリティが高いからすごいです。
百田尚樹さん、これからも目が離せません。
内容★★★★★
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2010/09/30 (Thu) 14:47
Marvel Comics
March 2002
Marvel Comics
April 2002
Marvel Comics
May 2002
新聞の一面を飾ったKingpinの死。だがそれは、Kingpinに降りかかるこれ以上の危険を避けるための策だった。とはいえ、意識不明の重態のままのKigpinではあった。その状況はKingpinの妻Vanessaにも知らされ、彼女はニューヨークに駆けつけるのだった。やがて彼女は知る。Kingpinの暗殺には、息子Richardも関わっていることを…。
"Underboss"編・後半。
まるで「ゴッドファーザー」を思わせるようなマフィアの抗争劇。
Kingpinを倒し、ニューヨークを支配しようと企むSilkeに協力するのは、Kingpinの息子Richard。
全てを知ったVanessaは、Kingpin暗殺に関わった男たちを次々と始末させます。息子は自らの手で…。さすがKingpinの妻といったところでしょうか。
私は、このVanessaに関しては"Ultimate"シリーズでの昏睡状態でしか知らなかったので、この強さ共々驚きでした。
また驚いたことといえば、MattがDaredevilであることを知っているのはKingpinだけでなく、その部下たちも知っていることでした。
Kinpinは、部下たちが知っているということだけでなく、自分が知っているということを部下たちが知っっていることさえも知らないようですが。
Mattに手を出すな、という指示を部下たちに出しているKingpin。
二人には過去に何かがあったようですね。知りたいなぁ。もっと遡って読まないといけないですね。
暗殺者の手を逃れたSilkeは、身を守るためFBIに保護を求めます。
しかし交換条件なしに匿ってくれるほど、FBIもお人よしではありません。
父親を売るわけには行かないSilkeは、MattがDaredevilであるということをFBIに話します…。
内容★★★★
難易度★★★
#26-31
#16-19, 26-50, 56-60
2010/09/29 (Wed) 18:55
Marvel Comics
December 2001
Marvel Comics
January 2002
Marvel Comics
February 2002
Mr.Silkeなる謎の人物に殺害される盲目のKinpin。
その1週間前、裁判所の前での大爆発に巻き込まれるMatt MurdockとFoggy Nelson。それは殺し屋・人間爆弾Nitroの仕業だった。しかしそれは始まりに過ぎず、Shotgun, Boomerangと2級線の殺し屋に狙われるDaredevil。どうやらDaredevilに多額の懸賞金がかけられているらしい。そしてBullseyeも現れ…。
"Underboss"編・全6話・前半。
#20-25はTPBになっていないみたいだし、面白くなさそうなので飛ばします。
"Civil War"の元凶ともいえるNitro、こんなところに登場していたのですね。彼はここで捕まり、Ryker's Island刑務所に送られ、"Civil War"に続くわけですね。
Mattの正体を知っているのはBen Urichだけだと思っていたのですが、相棒のFoggyも知っていたのですね。ふ~ん。
#28のShotgunとBoomerangとの戦いは、台詞一切なしで進行しますが、とても雰囲気が出ていてよかったです。
内容★★★★
難易度★★★
#26-31
#16-19, 26-50, 56-60
2010/09/29 (Wed) 15:18
理論社
1998年7月
「おめでとうございます、抽選に当たりました!」 生前の罪により、輪廻のサイクルから外されていた僕の魂は、天使業界の抽選によって再挑戦のチャンスを得た。それは、自殺を図った少年、真(まこと)の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならない修行だった。天使のガイドのもと、真として過ごすうちに、僕は家族や友人の欠点が見えてくるようになって……。 深刻なテーマを、森さんならではのユーモアで包み、あたたかくホロリとさせる不朽の名作。
境遇からいっても、もっと深刻であってもいいはずなのに、代理という立場ゆえに結構気楽に状況を受け止める主人公。
ようは、真剣に受け止めることは大事だけれども、深刻になり過ぎないこと、たまには受け流すくらいでやっていったほうがいいよといっているのですね。
行き詰っても、この主人公のように視点を変えることができれば、今まで見えなかった面もきっと見えて、そこに希望が持てるはず。
家族や友人ににしても、殻の中から見て判断するのではなく、勇気がいるけれど、一歩踏み込んでみないと、その人のことはいつまでたっても理解できないままです。
まさに死んだ気になってやり直してみる、をそのまま実践したような小説ですね。
ストーリー的には少し安直で物足りない部分も感じないわけではないですが、この爽やかさは捨てがたいです。
森絵都さんといえば、「DIVE!!」がまだ半分しか読んでないのでした。いろいろ手を出し過ぎですね、私。
この本が最近話題になったのは、アニメ化したからなんですね。しらなかった。ちょっと気になります。
内容★★★★
2010/09/28 (Tue) 22:45
太田出版
2006年8月
「生きて妻のもとへ帰る」
日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた……。
人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。
元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗りーーそれが祖父だった。
「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻に志願したのか? 健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。
はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語!
これは名作ですね、間違いなく。
泣けるシーンが何箇所あったことか。
ストーリーも感動ですが、それを裏打ちする徹底的な取材でのリアルさもあってこそだとも思います。
私の祖父も戦争で亡くなったというのに、私は無関心のまま来てしまいました。本当に恥ずかしいです…。
適当なイメージで漠然と持っていた特攻隊などのイメージもこの本を読んで変わりました。この点に関しても、今から思えばとても恥ずかしいです。
確かに今の世の中でも理不尽なことは多々あります。でも彼らの受けた理不尽さに比べ、なんとささやかなことでしょう。彼らのことを思い浮かべると、どんなことでも耐えられそうな気がしてきます。それだけでも読んだ価値があったかな。(それだけではないけれど)
いろいろ抜き出したい名台詞があったのですが、あまりに多すぎるので断念しました。
これをきっかけに、当時の人々の気持ちも考えながら戦争についてもっと学んでいこうと思っています。
内容★★★★★