2010/12/01 (Wed) 21:47
文藝春秋
2009年3月
還暦ぐらいでジジイの箱に蹴りこまれてたまるかと、かつての悪ガキ3人が私設自警団を結成。定年後、近所のアミューズメントパークに出向中の剣道の達人キヨ、居酒屋の元主人で柔道家のシゲ、機械をいじらせたら無敵の工場経営者ノリの3人を中心に、キヨの孫とノリの娘の高校生コンビがからみ、詐欺や痴漢、動物虐待など、ご町内の悪を斬ります! 「図書館戦争」シリーズが大ブレイクした著者の「イマドキのお年よりは若い」という思いから始まりました。涙あり笑いありの時代劇をみるような爽快感。
有川さんの本にハズレはないなぁ。この作品もとても面白かったです。
毎回思うのですが、ホント、惚れちゃう様な登場人物を書くのがうまい!
清一さんも重雄さんも則夫さんも祐希くんも芳江さんもとても気に入っちゃいました。
お話が楽しいだけでなく、近所でのネットワーク、子どもたちの安全について、お年寄りの孤独、などなど身近な問題を取り上げていて、考えさせてくれます。
さらに、御馴染みの甘酸っぱい恋もやっぱり盛り込まれていて、とってもお得な気分でした。
内容★★★★★
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2010/11/30 (Tue) 20:00
筑摩書房
2010年10月
緑溢れる武蔵野に老いた犬と住む棚。アフリカ取材の話が来た頃から、不思議な符合が起こりはじめる。そしてアフリカで彼女が見つけたものとは。物語創生の物語。
難しい物語でした。
多分私は把握しきっていないと思います。
特に最後の棚の書いた小説。
伝わってこないなぁ。鈍いのでしょうね、自分。
でも、アフリカの風、空気というものはとても感じ取れ、今すぐにでも行ってみたくなりました。多分その食文化に、一日と持ちそうにないですが…。
この本のおかげで疑似体験できただけでもよしとしておくべきかもしれませんね、私の場合。
アフリカの呪術とか考え方は神秘的というか幻想的で、ちょっと惹かれました。
内容★★★★
2010/11/30 (Tue) 10:38
文芸社
2005年5月
2歳2ヶ月で「急性リンパ性白血病」と告げられ、骨髄移植の結果、順調に完治した愛娘・みぽりん。病気の影響からか、同級生と比べて身長が低かったが、そんなことはあまり気にしないえくぼのかわいい女の子だった。しかし、中学に入学した途端、今度は「悪性脳腫瘍」がみぽりんを襲う……。平均余命1年と告げられた母が、みぽりんの書いた絵手紙を交えて闘病生活を記録。重い病に侵されているとは思えない力強さと前向きさを持つみぽりんの絵手紙から、生きる勇気をもらうことができる一冊。
TVドラマを観て知り、もっとみぽりんの絵を見たくなり手に取りました。
みぽりんのお母さんが綴った、日記のような記録なので、映像と比べるとドラマ性とかがあるわけではないのですが、その感情を抑えたむしろ淡々ともいえる書き方が、逆に切実さを表しているように感じました。
身体の小さなみぽりんが描く絵は、とても生命力に溢れ、彼女の生きたいという気持ちがひしひしと伝わってきます。
理不尽さによく愚痴る私ですが、彼女や彼女の家族に比べたらなんと小さなことか。恥ずかしいです。
せめて、優しい家族に囲まれていた分、短い人生だったけれども幸せだったのだと、思いたいです。
内容★★★★
2010/11/29 (Mon) 20:00
徳間書店
2010年9月
新宿の雑踏に色とりどりの風船が浮かび、大音響と共に爆発した!「十二神将」を名乗るテロリストの、それが東京への宣戦布告だった。さらに浅草寺、六本木ヒルズ、新丸ビルを襲った後、突如、犯人は企業へと標的を変えた。「怒れる神々」と称するテロリストの怒りとは何なのか? 神戸で出稼ぎ外国人を束ねる派遣会社社長の惨殺。出稼ぎに来たまま蒸発した従兄弟らを探すペルー国家警察捜査官。東京─神戸を結ぶ闇の謀略ラインとは?
題材の割りに緊迫感はありませんでした。
描写が少ないせい?
キャラの掘り下げも浅いせいか、お話にものめり込めなかったです。
主人公たちもあまり活躍せず、犯人たちも尻すぼみの末路。黒幕はそのままで、全体的に散漫な印象。確かに現実はそんなものかもしれませんけど。
せめて犯人たちの怒りとか狂気でも伝わってくるとよかったと思うのですが。
読みにくいとか、無茶な展開があるわけではなく、よく言えば無味無臭かな。
内容★★★
2010/11/29 (Mon) 10:33
マガジンハウス
2010年9月
仕事命、シングルマザーのエム(39歳)が入社したのは心身共にハードなベンチャー企業。常識はずれな要求と激務の末、職場の真ん中で倒れ、生死の境をさ まよった末、奇跡の復帰を遂げた彼女を待っていたのは、会社都合の理不尽なリストラだった。退職を余儀なくされたエムは、労災認定、未払い賃金の請求、パワハラ慰謝料を要求すべく、法律知識ゼロから会社に立ち向かった。人ごとではない、リアルで怖くて、しかも抱腹絶倒!? 読み出したら辞められないジェットコースター・ノンフィクション!社員にも会社にも今すぐ役立つ弁護士監修法律解説付き。
あまりに理不尽な会社の扱いには絶句です。自分はまだ恵まれているほうだと思っちゃいます。
会社に尽くし過ぎても、手を抜き過ぎてもいけないし、そのバランスは難しいですね…。
このご時勢、簡単に辞めるわけにもいかないし…。
気持ちは痛いほどわかりますが、残念ながら目新しい内容ではありませんでした。
ほぼ、どういう扱いを受けてきたかがメインで、会社とどう戦うかがあまり詳しく書かれていませんでした。
そういう点で、ためになるかというとちょっと疑問に思いました。
内容★★★