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アメコミで英語、と映画と小説と漫画など
読んだアメコミ、映画、漫画、小説などの記録。 画像をクリックすると、若干大きいサイズで見られます。 ★★★★★……震えます。生きてて良かったと思います。 ★★★★……唸ります。気分が高揚します。 ★★★……うんうん。読んで損はないかと。 ★★……時間を損したかなと悲しくなるかも。 ★……怒りがこみ上げてくるかも?
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2025/01/22 (Wed) 10:11
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2010/12/20 (Mon) 11:08

文藝春秋
2010年11月

ぴかぴかの夫とかわいい息子と何不自由なく暮らす30歳の梨々子(りりこ)にふってわいた夫のUターン話。実家との距離感、ご近所付き合い、子育て、夫の鬱。このまま年を取っていくのかしらと迷う彼女はかつてのアイドルと隠れて会うようになり……。あちらでつまずきこちらで壁にぶつかる1人の女性の10年間を、定点観測のようにつぶさに追いかける等身大の物語。気づけば誰もが自分を重ねてしまうような清々しい“成長しない成長小説”です。





相変わらず、日常での心理を拾う巧みさに感心してしまいます。
「普通かそれ以外、その分け方だけでも大変なのに、普通に以上や以下をつけてしまっては、追い詰められるのは私だ。」
「自分はこんなところにいるべきではないのだ、いつか何者かになるのだと思うことで、自分を支えてきたような気がする。自分に言い訳してきたということだと思う。私の思う「何者か」は周囲に自慢したい姿だった。」
結局人はあがいて悩んでごまかして疲れ果てて…。折り合いをつけて生きていくしかないのでしょうか。
現実そうなんでしょうけど、何だかそう考えて生きていくのは私はいやだなぁ。多分私は、現実を受け入れられないほど弱いのでしょう。
せめて周りを気にせず、普通とか普通じゃないとか考えない強い心を持ちたいのですが、それさえもままならないです…。

内容★★★★


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2010/12/18 (Sat) 18:48

東京創元社
2010年10月

ニュージーランドの全寮制女子校に編入してきたジュリアン。彼女は同校の卒業生である祖母が遺した手記と、古い手紙を携えていた。手記には学院の教会堂で起こった残虐な殺人事件が、手紙には復讐をにおわせる不吉な一文が書かれていた。そして、ジュリアンと6人の同級生に、ふたたび酷似した状況で、悲劇がふりかかる……。これは41年前の事件の再現なのか? 少女たちを脅かす、封印された謎とは? 第20回鮎川哲也賞受賞作。





2作同時受賞ということで、どうしても「ボディ・メッセージ」と比較してしまうのですが、人物の書き分けという点では圧倒的にこちらの方が上手かったですね。こちらも私の苦手なカタカナの登場人物ばかりだったにもかかわらず、全然支障ありませんでした。
内容的にも、犯人に追い詰められるというサスペンス的要素もあるこちらのほうが好みでした。
ニュージーランドという国自体存在しか知らなかった私には、日本との歴史的関連も含めて勉強にもなりましたし。
全寮制女子校という設定も、雰囲気があってよいと思います。
ただ、ある重要人物はエピローグを含めとても詳しく書かれているのに、犯人の動機に結びつく過程とかが詳しくなく、バランスが悪い感じはしました。

内容★★★★


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2010/12/18 (Sat) 10:26

講談社
2010年9月

風を、迷いを、闇夜を、鳥を。
著者はわずか5編の物語で、世界の全部を解放してしまった。
闇の中から一歩、また一歩と光射す方へ誘われる、「夜市」の著者の新たな到達点にして最高傑作。

この世に潜むものたちを、5つの物語で誘い出す――。
――私たちは私たちだけ? ――進むってどこに行くの? どこに行けばいいの? シンは少し考えてからいった。――<竜が最後に帰る場所>よ。

1.風を放つ
2.迷走のオルネラ
3.夜行の冬
4.鸚鵡幻想曲
5.ゴロンド







5編の短編を収録。
1番目と2番目のお話は、う~ん。でも、3番目からはよかったです。
「夜行の冬」のどこか惹かれてしまう怖さ。それは現状に満足していない自分がいるためなのでしょうか。
「鸚鵡幻想曲」のまったく予測が出来ない展開とその発想。
「ゴロンド」の壮大さ。
ちょっと追ってみたい作家さんです。
表紙と内容のギャップありすぎ。

内容★★★★


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2010/12/17 (Fri) 13:12

講談社
2010年10月

ささやかでいい。叶ってさえくれれば――
可愛い妹が欲しい、元恋人と復縁したい、部下と不倫をしてみたい、とにかく誰かと話したい……。
芥川賞作家が掬い取る、街にあふれたいくつもの小さな願いごと。静かだけれど切実な、9つの物語。

1.「あと1つのお願いは何にしよう」不倫がバレて会社を辞めたOL……【願い】
2.「可愛い妹が欲しい」妄想がちの大学生……【妹思い】
3.「大坪さんと寝てみたい」管理職のサラリーマン……【ノーチャンス】
4.「熊になるのは、嫌」母の恋人が気に喰わない小学生女子……【つるとくま】
5.「ちゃんとしたお墓が欲しい」3人の息子を持つ老紳士……【散骨と密葬】
6.「いつかホームランを打ったら」元カノと復縁したい男……【ファウルボール】
7.「友達が泣くところは、みたくない」友情睦まじいアラフォー女たち……【たくさんの荷物】
8.「1週間、電話がかからなかったら、もう死のう」引きこもりのライター……【七日間】
9.「知子はお願い玉を手に入れた」夢が叶う緑色の玉を大切に持つ少女……【お願い玉】





様々な人たちの様々な願いを描いた短編集で、みんな、願いの温度差はあるものの、いろいろあるんだなぁと思わせてくれます。
でも結構あっさりテイストだったりして、爽やかな風といった感じで、あんまり印象に残らないかな。

内容★★★


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2010/12/17 (Fri) 09:59

講談社
2010年9月

『弔鐘はるかなり』(1981年)以来、北方ハードボイルド原点の街、横浜を舞台に描く渾身の純愛小説!ハードボイルドの雄として疾走した30年。いま、記念碑的作品が生まれた。北方ハードボイルドは大人のたしなみである。講談社創業100周年記念出版

こんな愛しかた、だれにもできない。
赤レンガ倉庫。関内のバー。運河に映るハーモニカハウス。外国人娼婦たち。港町の裏表を見つめてきた硲冬樹は、人妻、響子から死期が近いことを聞かされる。硲は、彼女の裸身に、だれも目にすることはない作品を刻みつけることを決意する。

娼婦に入れ込み、すべてを失うチンピラ。肢体をくねらせるクラブの女。硲の絵に魅せられたやくざ。長屋酒場(ハーモニカハウス)の女絵描き――。暗い川面は、港町の男と女たちを映し出す。そして人妻、響子は、余命半年なのだと告げた――。







簡潔で感情を抑えた文章が、読み始めてすぐに私をハードボイルドの世界へと引き込みました。
雰囲気に酔いしれる楽しみだけでなく、絵画に縁のない私にとって、絵とはどんなものかを教えてくれた気がします。
決して手に入れることのできない幻影を求めて生きる男の哀愁が描かれていた本だと、私は感じました。
本当に純粋で、ごまかすことの出来ない男の生き様を見させていただきました。

内容★★★★★


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