2009/11/23 (Mon) 11:37
小学館 ビッグコミックスピリッツ
2004年9月
小学館 ビッグコミックスピリッツ
2005年9月
小学館 ビッグコミックスピリッツ
2005年12月
小学館 ビッグコミックスピリッツ
2006年5月
他の金融機関が見捨てた、返済能力に欠ける人間相手に暴利を貪る“闇金融”。そんな業者の一つ「カウカウファイナンス」は、法定金利を遥かに超える“トゴ(10日で5割)”は当たり前、ギャンブル狂には1日3割もの高利で金を貸している。そして若き社長・丑嶋自ら陣頭指揮を執り、今日も徹底した取り立てで業績拡大に邁進する…。
①丑嶋のもとを毎朝9時に訪れる「奴隷くん」と呼ばれる人々。それはパチンコ依存症の主婦たちのことで、丑嶋は彼女らに3万円の現金と引き換えに5万円の借用書にサインさせる。あらかじめ金利・手数料2万円を引いた上、1日3割もの暴利を課しているにも拘わらず、今日も彼の会社には哀れな訪問者が引きも切らない。
②暴走族のヘッド・愛沢のバイクを、そうとは知らずに盗んで大破させてしまった中卒ニートの少年・マサル。怒った愛沢はマサルにリンチを加えた挙げ句、修理費+慰謝料200万円を払わせようと丑嶋のもとに運び込む。マサルが未成年のため消費者金融で借りられないことから、闇金で借金させようという訳なのだが…
③愛沢から再び200万を恐喝されたマサルは、殺されかかったところを先輩の高田に助けられる。一方、マサルから金を奪うことに失敗した愛沢は、今度は丑嶋に狙いを付けて事務所への張り込みを開始した。そして翌朝、スタンガンやスラッパーで武装した愛沢一味が、事務所から出てきたマサルたちに背後から迫る…!!
④ある日、債務者の女性への集金中に悲鳴を上げられ、張り込んでいた刑事に恐喝罪で逮捕・留置されてしまった丑嶋。丑嶋を闇金業者と睨み、起訴しようとする刑事に対し、丑嶋は私選弁護士を付けて不起訴を狙う。他にも丑嶋に脅されているという被害届けは3件あり、この4人は異口同音に示談金を要求。その中心はジュンというギャル男らしいが…!?
誘惑に勝てない心、自己正当化、堕落、言い訳、現実逃避…。
人間の嫌な部分、弱い部分をこれでもかと描写するこの漫画は、読んでいてかなりつらいです。
その描写力はすごいです。もう圧倒的。
かなりめげること、請け合いです。
程度の差こそあれ、同じ感情を持ったことのある人はかなりいるのではないでしょうか。
自分の身は自分で守る。それは当たり前のことかもしれませんが、自分を正当化することが、ただの逃げで何も解決しないことを改めて痛感させられました。
確かに、お金を借りること自体、人を頼っているのかもしれませんね。
衝撃的であり、教訓的な漫画。
内容★★★★★
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