2009/09/20 (Sun) 23:48
講談社文庫
2000年5月
日本全国を恐怖に陥れた大量密室連続殺人事件がついに解決。驚倒すべき動機、トリック、真犯人とは。
ようやく終わりました、というのが読み終わった第一の感想です。
長かった…。
しかしこの解決は、確かにこれしかないのかもしれませんが…。
確かに議論を呼びそうですね…。
確かにこの世にはありえないことなんてないとは言い切れないですが、何か釈然としないものが…。
う~ん。
ちょっと踏みとどまる位置が違うような…。
せっかくの魅力あるキャラも活かせているとは言い難いし…。
まあでも、ここまで堂々と言い切って書けることと、かなり手間暇かけていることは評価できるのかもしれません。
確かに「問題作」でした。
内容★★★
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2009/09/01 (Tue) 11:05
講談社文庫
2000年5月
すべてのミステリの総決算……。究極の連続不可能犯罪を企む天才犯罪者が、陸の孤島で「幻影城殺人事件」を演出する。 作家・江戸川乱歩と同じ本名を持つ富豪が、生涯を賭して築いた幻影城。美しい湖の小島に浮かぶ紅の城は、様々な趣向が凝らされた「異形の館」である。推理作家たちが秘境を訪れる。――老いた探偵が惨劇に引き寄せられた時、舞台は整い、物語が始まる。作家の1人が執筆する推理小説が、現実世界を侵蝕し、虚構が世界を包む。虚無の深淵に在る闇の水脈(みお)から惨劇が生じ、空前の事件が幕を上げる。装飾的な不可能犯罪が繰り返される。屍は日を追うごとに増えていく。推理小説のありとあらゆる構成要素をすべて制覇すべく犯行を続ける「犯人」――その正体は、限られた「登場人物」の中の1人!事件を支配する犯人の武器は、その天才と「言」の魔力。ひたすら「言」が「迷」い続ける「謎」の山に挑むのは、言と謎を極めた推理作家の集団、百戦錬磨の警察精鋭捜査陣、犯罪捜査のプロフェッショナルたるJDC(日本探偵倶楽部)の名探偵チーム……そして「読者」――「君」自身。神出鬼没、史上最凶の天才「真犯人」、その名は「芸術家」!物語の覇者たる「神」は誰か?「真犯人」の究極の正体は!?旧き約(ちぎり)に操られた世紀末の探偵神話を語る「僕」とは!?JDCの切り札・九十九十九(つくもじゅうく)が、決して解けない世界の秘密――「神の理」――を悟る時、匣の中の物語は幻魔作用(ドグラ・マグラ)を失い、世界は暗黒の死の館から、めくるめく虚無の彼方へと飛翔する。時の輪が完成する最後の一行。終焉を迎えた世界に「読者」=「君」は何を読む?
「ジョーカー」下巻。
しばらく時間が取れなかったため、3か月以上かかってしまいました。
う~ん、これは読者を選ぶんではないでしょうか?
すっきり、はっきりした結末を求めるならば、読むべきではないのかもしれません。
言いたいことは少しだけ分かるような気がしないでもないですが、私には納得がいっていないのも事実です。
既存の推理小説の形を想定して読むと、裏切られた気分になるかもしれません。
それとも、単に私のレベルが低いだけかもしれませんが。
ただ、「コズミック」の下巻にまだ続いているようなので、そちらで納得させてもらえるかもと、ささやかな期待を捨てきれずにいます。
言葉遊びが多すぎなのも私には性に合わないようです。
すごいと思う前に、ここまでやるの?という意識が働いてしまいます。
構えて読むほうではないので、読み返したり、数えたりするのもなんだかわずらわしく思えてきて…。
リアル感も損なわれてしまうような気もします。
ただ、キャラ設定は大好きです。
覚え易い名前と特徴ある必殺技。
このキャラたちが活躍する普通の小説が読みたいです。
内容★★
2009/06/21 (Sun) 22:17
講談社文庫
2000年4月
屍体装飾、遠隔殺人、アリバイ工作。作中作で示される「推理小説の構成要素三十項」を網羅するかのように、陸の孤島・幻影城で繰り返される殺人事件。「芸術家」を名乗る殺人者に、犯罪捜査のプロフェッショナルJDC(日本探偵倶楽部)の精鋭が挑む。
「ジョーカー」の上巻にあたるもの。
何故これを「コズミック 流」の次に読むべきなのかは、これを読み終わった現時点ではわかっていません。
「探偵儀式」にも登場する鴉城蒼司、竜宮城之介、九十九音夢、螽斯太郎、鴉城蒼也なども登場します。でも、あまり芳しい活躍はいまのところないのが残念です。(前半だから仕方ないかもしれませんが)
奇抜な形式の「コズミック 流」とは異なり、こちらはオーソドックスな小説形式です。
犯罪自体はその方法がわからないほどすごいですが、一人一人の登場人物の説明が長すぎて、物語の進みが遅すぎるのがちょっと苦痛でもあったりします。
それ自体がトリックに関係しているのなら仕方ないのかもしれませんが…。
また、言葉遊びが過ぎるのも、緊迫感が欠けてしまうような…。
判断は下巻を読み終えるまでするべきではないとは思いますが…。
内容★★★
2009/06/13 (Sat) 00:21
講談社文庫
2000年4月
「1年に1200人を密室で殺す」警察に送られた前代未聞の犯罪予告が現実に。1人目の被害者は首を切断され、背中には本人の血で「密室壱」と記されていた。同様の殺人を繰り返す犯人「密室卿」の正体とは?推理界で大論争を巻き起こした超問題作。第2回メフィスト賞受賞。
「コズミック世紀末探偵神話」を改題し、2分冊にした上巻。
文庫化にあたり、2冊に分冊したのは、読む順番に作者の意図があるからのようです。
「清涼IN流水」すなわち、「流→清→涼→水」と読むと「生涯で未体験の刺激」が得られるそうです。(まえがきより)
形としては、「コズミック」の上下巻の間に「ジョーカー」の上下巻を読むという形ですね。
私はこれを試そうと思っています。
この本を読もうと思ったきっかけは3つあって、この変わった読み方に惹かれたのが、動機のひとつです。
あと、マンガ「探偵儀式」のキャラ設定が気になったのと、この本の感想が賛否両極端なことですね。
今、この前半部分を読み終えて、本当にこのトリックは解明されるのかどうかということが心配になってきました。
だってすでに19の密室で19人殺されているのです。
本当にいろいろな状況の密室が考えられていて、それだけでもかなり感心してしまいました。
しかも私はまったくトリックに見当がつかないのです。
この上巻でJDCの探偵がちゃんと登場するのは最後の章のみです。
しかも被害者になってしまうという…。
その被害者は、「探偵儀式」にも登場するあの人です。
ということは、探偵儀式は、これよりも前の時代設定?
いいえ、向こうでは九十九十九とか死んじゃうから、やっぱりパラレルワールド?
う~ん、ちゃんと全部読むまでは判断しかねますね。
文庫で考えると、この「コズミック」と「ジョーカー」であと3冊。「カーニバル」が全5冊。「彩紋家事件」が3冊。先、長っ。
この上巻を読み終わった時点ではかなり面白いです。
私の想像をはるかに超えたスケールで楽しませてくれてます。
裏切られるかもという不安がまったくないかというと嘘になりますが、続きが気になって仕方がないのは本当です。
内容★★★★