2011/01/29 (Sat) 16:42
講談社
2009年9月
もう、彼女は語れない。彼が伝える、その優しさを。悲しみを、喜びを。
日本橋の一角でひとり暮らしの女性が絞殺された。着任したての刑事・加賀恭一郎の前に立ちはだかるのは、人情という名の謎。
舞台は、日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの40代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が……」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。
「容疑者Xの献身」や「流星の絆」と同レベルの傑作でした。
この作品は手法も凝っていて、一つの事件を軸に、それに関わる人たちの人情もの短編集みたいになっていて、その短編短編で感動するのはもちろん、伏線も随所に散りばめられ、徐々に真実が浮かび上がってくる仕組みとなっています。
その手法抜きにしても、泣かせてくれるのだから、すごいですね、東野さん。
「捜査もしていますよ、もちろん。でも、刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑事の役目です。」
という台詞に生き様が現れている加賀刑事。
こんな刑事が本当にいたらいいのに…。
そんな加賀さんのシリーズは、
卒業
眠りの森
どちらかが彼女を殺した
悪意
私が彼を殺した
嘘をもうひとつだけ
赤い指
新参者
麒麟の翼
シリーズの半分くらいは読んだような気もするのですが、全然記憶にないです。
この感動を忘れないうちに、シリーズ制覇したいところです。
で、2010年本屋大賞もあと「1Q84」を残すのみ!
でも3冊もあるからなかなか読み出す覚悟が…。
内容★★★★★
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