2009/03/11 (Wed) 23:42
講談社
1987年3月
高松城攻めの最中、織田信長、本能寺に死すとの報をキャッチした秀吉は、巧みに毛利方と和を結び、一目散に京をめざす。世にいう“中国大返し”。主君を斃した明智光秀を討った者こそ、次代のリーダーなのだ。天王山の麓、山崎の合戦で光秀に勝った秀吉は、天下人への確実な第一歩をしるしていた。
この文庫からは外されていますが、元のタイトルになぜ「異本太閤記」というサブタイトルがついていたのか、この巻を読んで納得しました。
この山岡版では、明智光秀が「山崎の合戦」では死んでいないという説を元に話が展開していくからでした。
織田家の相続問題のシーンはドラマ「寧々」でも描かれていて、イメージがしやすく、読んでいて楽しかったです。
心底慕えるかどうかはともかく、やっぱり秀吉はすごい人です。
でもやっぱり私の生徒たちはこういう本は敬遠するのだろうなぁ。
内容★★★★
2009/01/27 (Tue) 10:18
講談社
1987年2月
上洛一番乗りを果たした信長だが、周囲は敵ばかり。越前朝倉攻めの最中には妹お市の婿浅井長政にも背かれ不覚の退却。殿軍で名を挙げた秀吉は、続く朝倉浅井攻めの功で14万石の大名に大出世。だが、一向宗徒2万の焚殺、比叡山焼打ちで信長の悪名は高まる。その頃、秀吉は備中高松城水攻めの最中…。
やっと半分まできました。
中国ではこの作者の「徳川家康」がブームだそうですが、私は「豊臣秀吉」。
でも、特にこの人が好きで読み始めたわけではないです。
ここでは、高松城の水攻めまでが描かれています。「本能寺の変」直前ですね。
すでに秀吉、四十代後半。
竹中半兵衛の死にもほとんど触れてないし、この巻はかなり省略が多いのには驚きました。(「寧々~おんな太閤記」の半兵衛の子供の話は胸打たれたのですが)
この巻の行動と「天地人」のオープニングを見る限り、秀吉のことを好きかと言われると…あまりそうは思えないですね。
まあ、確かに人間らしいと言えばそうなのかもしれませんが…。
内容★★★★
2009/01/18 (Sun) 02:43
講談社
1987年2月
美濃攻め開始!藤吉郎はまたも奇略を用いて、斎藤龍興(たつおき)領の要衝墨また(すのまた)に“一夜城”を築き、敵味方の度肝を抜いた。続く稲葉山城(岐阜)攻略戦でも、城の裏手の山奥から城内を奇襲、たちまち龍興を捕えた。戦功は第一。美濃の麒麟児竹中半兵衛を軍師に迎えて、信長の覚えもめでたい秀吉の功臣の座はゆるぎない。
TVでお正月に放映していた「寧々~おんな太閤記」を録画しておいてあり、ようやく第1部を見終えました。(全3部)
それと比較して読んでいるので、なおのこと楽しめました。
TVが第1部で「本能寺の変」(1582年)まで描いているのに対し、こちらの本は全8巻中3巻までで「美濃攻略」「上洛戦」(1969年くらい)と、進み具合が違います。
勿論、どの出来事に重きを置くかもそれぞれ違うし、焦点を当てる人物も違うところも面白いです。
マンガ「へうげもの」ともまったく違います。
この小説版で一番印象に残っているのは、豊臣秀吉が信長の妹市に惚れてるところでしょうか。
内容★★★★
2008/12/27 (Sat) 11:36
講談社
1987年1月
信長こそ天下続一の大将の器と見た藤吉郎は、うまうまと織田家仕官に成功。人をそらさぬ才覚と骨身惜しまぬ奉公ぶりで信長の気に入られ、とんとん拍子の出世。時あたかも駿河の今川義元、大軍を率いて来襲。藤吉郎の策謀と信長の決断が、歴史に残る桶狭間の奇勝を生む。恋女房寧々も獲得し前途は洋々。
藤吉郎25歳くらいまでのお話。
読み易いせいか、ほんの合間にしか読んでいないのに、意外に早く読み終わりました。
「桶狭間の戦い」は「織田信長」の方で書いたのか、この本では寧々側の描写で終わっていて、戦いの様子は書かれていません。
戦国時代だから、戦いの描写が多いイメージでしたが、この本は恋や人情の話が大半を占めている印象。
藤吉郎のバイタリティーには勇気付けられます。
内容★★★★
2008/12/16 (Tue) 09:15
講談社
1987年1月
尾張中村の洟たれ小僧日吉は、負けん気の強い暴れん坊。だが心やさしく頭もきれる。百年うち続く戦乱に奪われ焼かれ、犯され殺される庶民の地獄絵を見て、戦いのない日本を作ろうと大志をいだく。自ら元服して木下藤吉郎と名乗り、諸国修業の旅に出た彼を待ちうける難関の数々。痛快!天下取り物語の始まり。
私の印象と違っていて、かなり創作の部分が多く感じられました。
ただ、歴史を捻じ曲げているわけではないので、参考にならないわけではないと思います。
物語性が強く、歴史があまり好きではない人にとってもかなり読み易い内容になっています。
ただ歴史の流れを暗記するより、こういう本で印象を深くしたほうが記憶から消えにくいと思います。
この1巻では、秀吉の10歳から17歳ころまでが描かれています。
続きが気になる終わり方をしているので、これを読み終わった人は2巻を読まずにはいられないでしょう。
内容★★★★