2011/02/19 (Sat) 17:24
小学館
2010年9月
医師の話ではない。人間の話をしているのだ。
栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。
そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。医師が慢性的に不足しているこの病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校・信濃大学の大学病院で最先端の医療を学ぶか。一止が選択したのは、本庄病院での続投だった(『神様のカルテ』)。新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。かつて“医学部の良心"と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。
そんななか、本庄病院に激震が走る。
夏目漱石色が少し和らいだのか、それとも慣れてしまったのか、「1」ほどは語りが鼻にはつきませんでした。
感動のお話だし、要所要所で素晴らしい言葉もあるのですが、盛り上がりでどうしてもわざとらしさというか、芝居じみた空気を感じてしまうのは、私がひねくれているからなのでしょうか。
栗原夫妻と大狸先生のキャラが浮世離れしているせいかなぁ。
素直に楽しめない自分がちょっと悲しいかも。
医療の過酷な現状、逝く人を送るということなどは考えさせられました。
そして、ようやくこれで本屋大賞2011年ノミネート作制覇です。
私としては、他に推したい本があるのですが、このなかから一つ選ぶとすれば…有川浩さんの「キケン」かな?
内容★★★★
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