2011/05/11 (Wed) 11:42
光文社
2011年2月
巨大歓楽街、福岡・中洲。バブル期はやくざ相手でも一歩も引かず地上げで鳴らしたが、今は長いものには巻かれてしまうさえない街金業者、その名も小金欣作(こがね・きんさく)。ある夜、彼は界隈を仕切る悪評高い暴力団に単身でつっかかってゆく少女を見て、ついつい助けてしまう。
その少女の向こう見ずさにかつての自分を思い出し、長くくすぶり続けていた男の心に再び火がつく。
「大人の正義、見せちゃるばい」──彼は仲間と共に知力体力根性愛情を駆使し、ネオン街を奔走する。
全選考委員がこの作品に好感。プラターズの名曲「煙が目にしみる」が鳴り響く、第14回日本ミステリー文学大賞新人賞作品。
ハードボイルドの王道といった印象を受けました。
目新しさは感じないものの、安定感があり、読ませてくれます。
他人のために、勝てないとわかっていても向かっていってしまう主人公の姿は、外見に関係なくカッコよく思えてしまいます。
ラストシーンは、それこそ哀愁が漂っていて、私はかなり気に入っています。この苦味に、ちょっと震えました。
内容★★★★
PR
Comment