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2010/07/13 (Tue) 17:05

講談社文庫
2009年4月

「――諸手をあげて、喜べよ」人類の最終存在、橙なる種・想影真心(おもかげまごころ)を伴って、「僕」こと“戯言遣い・いーちゃん”の前に「狐面の男」は現れる。バックノズル、ジェイルオルタナティブ……。“運命”の最悪の傍観者たる彼が唱える“世界の法則”は、この世の“真理”そのものなのか!?新青春エンタの決定版中の決定版、<戯言シリーズ>、その最終楽章となる『ネコソギラジカル』3部作、すべてが予測不可能な主題(テーマ)が激しく錯綜し旋律する、待望の中巻!完全燃焼、西尾維新!!

なんだかんだ言いながらも始まってしまえば我慢できるし、四の五の言っても終わってしまえば耐えられる。しかし人間は中途半端な中庸だけは我慢することができないし、勿論耐えることもできなくて、それなのに人生ときたら最初から最後まで永遠に続く中だるみみたいなものだから、これはもうまったくもってやってられないと言うべきだ。ひとたび口にしたことは、それがどんな荒唐無稽な世迷事であったとしてもひとつ残らず実行してきた誠実な正直者、つまりこのぼくは、10月、数々の人死にを経験する。奪われたものを取り戻すような勢いで、せき止められたものを吐き出すような勢いで、死んで、死んで、みんな死ぬ。それは懐かしい光景であり、愚かしい光景であり、見慣れた風景であり、見飽きた風景だった。結局、終わりとはなんだったのか。結局、始まりとはなんだったのか。戯言遣いはその程度のことにさえ思い至らず、しかしどうしようもない戦いだけはどうしようもなく続き、そして中断などありうるはずもなく――戯言シリーズ第6弾




シリーズすべてで1冊と考えたほうがいいでしょう。切り離すことなんかできないし、途中から読んでもおそらく本当には楽しめないでしょう。
しかし、すべてを読んで来た人ならば、必ず楽しめる。そんな感じになっています。1巻にしか登場しなかった人でさえ、名前だけは継続して登場するのですから。
今回は、もう本当に意外!意外の連続。これでもかっていうぐらい、予想外の展開になっていきます。
13階段登場のあたりでは、少年漫画のような1対1の展開を期待させたのですが、まったくそうではないあたり、さすがですね。(でも、ワンパターンでもそれはそれで見たかった気もします)

微笑ましいシーンもあるかと思えば、平気でキャラを殺してしまったりといったアンバランスさも一つの魅力かもしれませんね。
次の最終巻にも期待が膨らみます。

内容★★★★★



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