2010/07/15 (Thu) 09:08
宝島社
2010年5月
元検察官の佐方貞人は、刑事事件を専門に扱うやり手弁護士だ。そんな佐方の許に、かつて在籍した地検の所在地で起きた殺人事件の弁護依頼が舞い込む。高層ホテルの一室で起きた刺殺事件。物的証拠、状況証拠ともに、依頼人が犯人であることを示していた。男女間の愛憎のもつれが引き起こした悲劇。世間やマスコミの誰もが、依頼人に勝ち目はないと見ていた。しかし佐方の、本筋を見抜くプロの勘は、これは単純な事件ではないと告げていた。敗戦必至の弁護を引き受けた佐方に、果たして勝算はあるのか。やがて裁判は、誰もが予想しなかった驚くべき展開をみせる…。
着想とかテーマは面白いと思いました。
こういう揉消し事件は、悲しいことに多数存在していると思うし、悲しいかな、こういう対抗処断しかないのかもしれませんね。
そういう点では、かなり好きな小説。
ただ、法廷ものとしてのスリルはほとんどないです。
どんでん返しも期待していたものではなく、騙された感がなくもないです。
泣き寝入りはしないぞ、という被害者たちの気持ちがわかるだけに、私的には、一般的にはこれが理想と思われるラストも納得がいくかというと…。
被害者夫婦の心情はよく描けていると思いました。
内容★★★★
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