2010/06/19 (Sat) 01:38
講談社文庫
2008年10月
およそ論理立てて物事を考えるほど無意味なことはない。所詮論理など人の考えたものであり、そして世界は人の手には余りすぎる。博愛を自らの義務と課し、自由を何よりも重んじる、周囲に調和をこの上なく提供する誠実な正直者、つまりこのぼくは、七月、囚われの壊し屋を救う旅に連れられた。パーティのメンバーは玖渚友と鈴無音々。向かう先は悪の要塞―要するには『堕落三昧』斜道卿壱郎博士の研究施設。この冒険の登場人物は誰もが際限なく矛盾していて、誰もが際限なく破綻していて、そして誰もが際限なく崩壊していて、はっきり言って壊れている。それはひょっとしたら壊されただけなのかもしれないが、しかし戯言遣いのこのぼくに限って言えば、わざわざ壊してくれるまでもない。だってぼくは最初から、ほら、こんなにも見事に壊れてしまっているゆえに―。戯言シリーズ第四弾。
私がチマチマと読んでいたせいなのか、戯言のせいなのかはさだかではありませんが、かなり展開が遅いように感じてしまいました。
こんなに物語の時間が進まなく感じるのは、平井和正さんの「狼のレクイエム 第3部」以来でしょうか。
せめてもう少し玖渚やいーくんの過去が明かされるといいのですが、じれったさが募るばかり。
まあ、ラスト近くではようやく物語が動き始めたので、下巻に期待です。
内容★★★
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